至福のバターとフォワ・グラで3月の白アスパラガスを 料理上級講座にて | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

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フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

3月の料理講座では、まず生ダラのブランダードを

アペリティフに。

前の週の料理講座では生ダラをたくさん買ったのですが、

使ったのは身の厚いところだけ。大量に端っこが残って、どうしよう〜!?

 

そうだ、塩ダラで作るブランダードを、生のタラで作ったらどうなるのだろう??

ブランダードとは塩ダラを戻して茹で、ジャガイモのピュレ、にんにく、オリーヴ油、生クリームと合わせた南仏の地方料理で、なんともおいしい前菜です。

 

塩抜きする手間もないから、きっと楽ちん、美味しいはず!

そこで牛乳でジャガイモを茹で、生クリームも加えてからタラを煮て、潰して作ってみました。

基本的に好きなのでどんどん飽きもせずに食べてしまうのですが、

 

どちらがおいしいのか!?と問われたら、

やっぱり塩ダラで作る方が味に濃縮感があっておいしいのかも。

(当たり前。生で作るほうがおいしければ、こっちが正統のブランダードになるはずだから)

 

けれど気軽にブランダードが食べられるのも捨てがたしです。

ちなみに「たらふく」とは「鱈腹」と当て字するそうです。知らなかった!!

うーん、たしかに鱈のお腹って、ぷくっと膨れてたらふく食べてそう。

 

さて前菜1つめは

白アスパラガスのオランデーズソース

ほんとはフランス産を注文していましたが、

ウクライナ情勢で飛行機が予定通りに飛ばなかったとのことで断念。

愛媛産に変更しました。

とっても立派です。

剥いた皮も一緒に、コントレックスで割った水で茹でました。

もちろん塩もしっかり。

こうするとアスパラの旨味を逃がさずに、おいしくゆで上げられます。

 

じつのところオランデーズはすでに授業で何回か登場していて、

今回はいまサンプルでいただいているベルギーのピュアナチュールバターで

やりたかったから。

オーガニックでグラスフェッドのこの発酵バターは酸味が際立ち、滑らかな口溶け。

たまらなく大好きなバターなのですが、今回は贅沢にもこのバターでオランデーズを!

 

まず澄ましバターにしますが、いつもの発酵バターよりもあきらかに

黄色い油脂でした。つまりグラスフェッドの場合は、青草由来のカロテンによるものでしょう。

そして、びっくりなことに、澄ましの底に貯まった乳清の部分が

ちょっとヨーグルト的に固まっていて(通常のものは白い液体)、

なんだかおいしそう。

食べてみたら、酸味があって、美味しかったのです!

 

そして念願のオランデーズのほかにもう一つ用意したのは

フォワ・グラシャンティFoie gras chantilly

 

これはもう随分前のことになりますが、分子料理cuisine moleculaireが流行った頃(スペインのエルブジが筆頭)にでてきたもので、

化学者のエルヴェ・ティスさんと3つ星料理人ピエール・ガニエールさんによる、

化学で解明した調理学から発展した発明の一つなのです。

 

「チョコレートに水を入れて、泡立てたシャンティ」を発展させたもので、

フォワ・グラにブイヨンを入れて泡立てたものです。

 

数字が分からなかったので、いろいろ試してみた結果、初日はペースト状になり、

2日目はゆるくて、泡立ててもシャンティまではいきませんでしが、

とてもおいしいソースになりました。

これはまた使えそうです。

 

 

続きはまた明日!