フランス語の先生に、津和野のお土産として「ざら茶」というものをいただきました。
萩や津和野市からのご招待で、海外に向けて発信するモニターとしての参加のよう。来たるべき、コロナ明けのインバウンド獲得に向けて活動が行われている模様です。
ざら茶って知ってる?
いいえ、何、それ?
津和野ではみんなが飲んでるお茶で、「カワラケツメイ」という名前の豆科の植物で、漢方でもあるようです。
あっさり、それほどのクセはないようですが、枯れ草っぽいというか、乾燥した豆の香りがしなくもない感じ。
なんだかカラスノエンドウの実に似てる!
ご店主はフランス人のリコッタさんと日本人の奥様。津和野でお茶屋さんをされているみたいです。
「飲んでみて!」
おいしいけど。ちょっと枯れ草?
「レグリースReglisse(甘草)の味、しない?」
うーん、そうかな。甘草のちょっと薬っぽい部分のことかな。わからん・・。
「じゃあ、八角は? アニスは?」
もっとわからん・・。
先生にははっきりと感じられる甘草が、私には感じられず、枯れ草。
「香り」というのは、相当な種類の香り分子から構成されると聞きますので、甘草を構成する成分と共通するものが「ざら茶」にもきっと含まれているのだと思うのです。
しかし甘草の味や風味は知ってはいますが、日本人の私が子供の頃から甘草に慣れ親しんでいるわけでなく(ソースの中など、加工品にはよく含まれていますが、単独では日本には飴やゼリーが普通にあるわけでないので)、、深いところにまでしみこんでいるわけではないでしょう。
自分の内側にないから、かぎ分けられない。
たいして先生は、子供のときから黒い飴に黒い甘草のゼリーで完全に甘草の味を体が知っています。
つまり、違いはたぶん「経験値」。
経験の深いソムリエさんたちが、ワインの中に、赤い実や黄色い花や、濡れた犬や苔の香りを感じたり、チョコテイスターがチョコの中にもさまざまな香りを感じて自在に表現するのも、やっぱり経験を積んでこそ。
私は香りの分析(?)の話しが結構好きです(トリュフから海苔の佃煮の香りがする〜とか)。
経験を補うには、意識しかない。意識しながら香りを嗅ぐという作業がとても重要なのだろうなあ・・・とお茶を飲みながら、ゆるゆると考えた午後でした。
生徒さんでご興味ある方、お知らせください。いつでもお出しできます!