12月のキュイジーヌデザミ講座にて | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

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フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

12月のキュイジーヌ・デザミ講座は、フォワ・グラのカナッペからスタート。レーズンとヘーゼルナッツをのせて。

(実のところは、試作のテリーヌを一人では食べきれないので、みなさんに食べ助けをしてもらいました)

 

 前菜はヴォロ・ヴァンvol-au-ventを作りました。

vol-au-ventとは風ventに舞いあがるvolというような意味の前菜です。

市販の冷凍パイシートを使ってみましたが、上がる、あがる! びっくりするほど膨らんで、横が破けて、ちょっとソースが漏れました〜。

 

中には舌平目のマリニエール、あさり、海老、帆立、白子などなど入れてみました。ぎっしりと6人分

この料理。作るたびに、どんなに中身が贅沢でも、いつも必ず切ない気分になるのです。

 

有名なお話ですが、ルイ15世妃のマリー・レクチンスキーが毎晩この料理とともに王様の帰りを待つのですが、愛人ポンパドゥール夫人のところに行ってしまって帰ってきません。

 

もったいないからと料理人に命じて、一人用のサイズに小さく焼いたのが、ブーシェ・ア・ラ・レーヌ。「王妃さまの一口パイ」と名前が変わるのです。

 

なんだか、切ない。どっちを作っても、切ないのです。贅沢にいろいろ入れるのに、切るとどうしてもぐちゃぐちゃになるし・・。おいしいほどに、切ないのです。

 

続きはまた明日。