ナポレオンという名前のチーズ | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

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フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

羊のセミハードチーズとナポレオン(右)チーズ

 

テリアンシェフがお土産にと、フランスから持ってきてくださいました。

 

そのとき、たまたまシャルルドゴール空港の紙袋に入っていたため、うっかりと勘違いしていました。ギリに空港で買ってきてくださったのだ、と。

「わーぃ、メルシー」

 

ほかにもカンタル、ルブロション、クロッタン、モルビエが真空パックに入っていました。

 

カンタルを食べたとき、なんとも重層的な旨味が口いっぱいに押し寄せ、ひさしぶりにこんなに濃厚な旨味をもったチーズを食べた。やっぱりカンタルはおいしいなあ! と思いました。(空港にしてはやるなあ)

ルブロションも、クリーミーでなめらか。とても上等な味。常日頃、ルブロションが特別においしいチーズだと思っていなかった私にはちょっとした驚きでした。(シャルルドゴール、侮れない!)

 

3つめにシェーヴルを食べたとき、なんか、おかしい!?

 

と思いました。これほど上質なチーズばかりが、空港のお店のお土産のハズがない・・・。

 

は、思い出した!

先生はチーズをくださったとき、こんな話しをしていたのでした。

「友達のドミニクがチーズ屋をやっていて、彼はMOFのチーズ熟成士なんだ。ナポレオン、それからシェーヴル・・・」

「家庭用真空パック器を買ったんだ。300ユーロもした!」

「全部、ユキが食べなさい」(料理講座でも出すよ、と私が言ったら)

 

あああ、そうか! これらの話しを繫ぐと・・。

お友達の上等のお店でチーズを買って、自宅で切り分けて、きっと日本中にいる友人知人のために真空にして、わざわざ持ってきてくださったのでしょう。ホテルで仕分けして、たまたま空港の紙袋に。

 

だからこんなふうに羊とナポレオンが同居させられて、ちょっとへっこむ(上の写真)などという、商売モノにはあるまじき真空のやり方だったのです。

 

空港の紙袋が原因で、先生の話が私の脳に到達していなかった模様です。アルコールも入っていたとはいえ、思い込んでしまいました・・。

 

ともあれ、ナポレオン。

これがまたとてもおいしく、味が深く、なんともいえない熟成の香りがあります。赤ワインと一緒に、えんえんと食べてしまいそうな味。

 

お店は

http://www.fromagerie-beaufils.com

ナポレオンは

http://www.fromagerie-beaufils.com/fromages/fromages-français-au-lait-de-brebis/napoléon/

 

次ぎにパリに行ったら、買わねば、と思ったのでした。