お正月の花びら餅 | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

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フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

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明けましておめでとうございます。
お正月はいかがお過ごしになりましたか。
今年もたくさんのおいしい話題をお届けいたしますので、どうぞおつきあいくださいませ。

さて今年最初の話題は、花びら餅。

甘く煮た牛蒡と白味噌の餡を求肥で包んだお菓子で、初釜のときに使われます。
昔むかし、お茶事で初めて食べたとき、本当にびっくりしてしまいました。和菓子だと思って口にしたのに、牛蒡と白味噌だなんて! と思ったのです。
でもその二つの素材は求肥が間をつなぐことで、不思議にマッチしているのです。

うっすら桃色の餡が隠されている風情も新春らしく、後に続くお抹茶がより一層おいしく感じられます。いつのころからか我が家では毎年お正月には、静かにお茶を点て、必ず花びら餅をいただくようになりました。しみじみ今年もお正月が来たことを実感します。

もともとは川端道喜さんが発祥なのだそうです。食べてみたいけれど、でもこれはお裏さんの初釜の主菓子としてだけ、しかもごく限られた茶人にのみしか振る舞われません。
あぁ、食べてみたい・・。
ただしお正月よりも前に予約販売があるのです。そのうちに買ってみようと思いつつ、いったいどれだけの年月がたってしまったことか。今年の年末には絶対に忘れないでおこう、と決意しています。