本当のアンジェリカでパウンドケーキ 5月の製菓連続講座にて | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

塚本有紀のおいしいもの大好き!

フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

5月23日~26日
5月の製菓連続講座にて
塚本有紀のおいしいもの大好き!

フルーツケーキ cake aux fruits

ようやく、ようやく念願の本物のアンジェリカを使ったフルーツケーキを焼くことができました。
日本でアンゼリカと言って売られているものはフキ(キク科)による代用品で、本物は「アンジェリカangelique(セリ科)」という別の植物です。
その根は漢方でいうところの「当帰」で、茎には独特の芳香があります。
塚本有紀のおいしいもの大好き!

アンジェリカangelique

1年半ほど前に、その特産地であるフランスはニオールNiortの町にでかけ、本物を買ってきたのですが、ケーキを焼くほどにはなく、みなさんでちょっとずつ食べて終わりになっていました。これは最近生徒さんにいただいたもの。
しかしアンジェリカはあっても「ドレンチェリーをどうしよう!?」と思い続けていたのです。
(たとえフランスでドレンを買ったところで、だからっておいしいものでも・・・)
などとぐずぐずしていたのですが、また別の方からイタリアのアマレーナチェリーのシロップ浸けを頂きました。
これは使える! 食感はしっかりしていて、かつおいしいのです。
そこでようやく実現の運びとなりました。

アンジェリカには独特の香りがあり、それは万人受けするものではないかもしれませんが、私は結構好きです。少しラムにつけて、ケーキに焼き込みました。注意して味わうと、アンジェリカの香りが分かります。
ようやく小さい願いが叶い、一人、うふふと笑いたくなるような気持ちです(一人で盛り上がっているかもしれませんが、幸せに思います)。チャンスを与えてくだった方々、ありがとうございました。

せっかくフランスのアンジェリカを使うので、粉もと思い、日清製粉の「エクリチュール」を使いました。ざっくりフランス的になるかと予測したのですが、これは意に反してきめ細かい仕上がりに。


塚本有紀のおいしいもの大好き!

松の実のタルト Tarte aux pignons

プロヴァンスの地方菓子です。南の方に行くと、意外にも松の木がたくさん!
昔マルセイユで食べて、「なんておいしいのか」と感動したことを覚えています。
「私の好きな地方菓子ランキング、トップ3」に入るかも。
塚本有紀のおいしいもの大好き!

スペイン産の松の実を使いました。ヨーロッパのものは、しゅっと細長く、油脂が多いためむっちりとした食感になります。
シンプルにクレーム・ダマンドを敷いただけのものと、底にカシスのジャムを詰めたもの、の2種を作りました。



塚本有紀のおいしいもの大好き!

レモンのタルト Tarte au citron
これはクリストフ・ミシャラクさんのアイデアを借りました。レモンのクリームを絞りだし、メレンゲを飾りに(でも味の上でも大切)添えています。


塚本有紀のおいしいもの大好き!

フランボワーズのタルトレット Tartelette aux framboises
この前のパリで、カレットCaretteで食べたフランボワーズのタルトのおいしさとキュートさが忘れられず。そしてせっかく角のタルトレット型を買ったので、どうしても使ってみたくて、作ってみました。中はカスタード、上にはバラを加えたフランボワーズいちごジャムを乗せています。


塚本有紀のおいしいもの大好き!

最後はいちごのスープ Soupe de fraise
そろそろ名残のいちごとなりました。先日の料理講座でのやり方とは少し違えた方法でいちごを漬け、グラスデザートにしてみました。