
ビゴさんの夙川のお店で、今年もカスレパーティが開かれました。
カスレcassouletとはフランスの南の方、ラングドック地方の郷土料理で、豚肉や羊肉、コンフィ、ソーセージなどの肉類と白インゲン豆の煮込みのこと。どっしり重たくて、濃厚でこくがあり、旨味のじっくりつまった、ものすごく存在感のある料理です。
1年に1回は食べたい、パワフルでパンチのある料理です(が、それ以上は無理)。
さて私が初めて参加したのは、2004年のこと。そのときパッションさん(代官山のフランス料理店「パッション」)が来られてビゴの店の料理人さんたちにご教授くださったので、私もカルカッソンヌ(パッションさんの生まれた町)の作り方を一緒に教わりました。
パッションさんのレストランでは毎年5月に「カスレ大学」を開講し、出身地の郷土料理「カスレ」の普及に努めておいでだと、その時伺いました。ビゴさんもそれよりも前から自国の料理を地道に守っておいでなのです。
カスレは日曜日のご馳走であり、昔は家庭で準備して、パン屋の窯で焼いてもらったとパッションさんが話されていたことを思い出します。丁寧にゆっくり、大事に作ること。かの地に思いをはせ、食材に敬意を持って料理すること。そんな姿勢をパッションさんから教わりました。
今回もまたあの時のように、お店の方々がゆっくり時間をかけて仕込み、準備してくださったのだと思います。

さてアミューズと前菜の後、いよいよ「どーん!」と4人分のカスレが登場。
茶色い厚手の陶器で供されることになっています。
白いんげん豆がほくほくとして、お肉の旨味をたっぷりと吸い込んで、寒い時期の身体に染み渡るよう。郷土料理の持つ、じっくり地に足のついた重みが伝わってきます。
重たいけれど、おいしいのです。
同席させていただいたのは、日清製粉の長田さんと渡辺さん。
じつは私の今週の「もっとも会いたい人ナンバー1!」は「日清の人」だったのです。
なんてタイムリー! ビゴさんに、心からありがとう

じつはフォレ・ノワールのココアのビスキュイには毎年日清製粉のバイオレットを使うのですが、今年の膨らみ方と食感がいつもと微妙に違うので、その理由を詳しく聞きたかったのです。日清製粉の粉は相当に高い技術が駆使されていますので、そうそうはぶれないハズなのです。
いろいろ教えていただいたところによると、それはたぶん今年の卵の卵黄が小さかったから。微妙に油脂(卵黄)が減り、かわりに卵白のタンパク質が多くなることで起こることではないか? という結論です。専門家の話しというのは、いつも本当に有意義です。
まじめな話しをしていたのは、最初の20分ほど。
あとはもうわあわあ、踊って騒いで、大盛り上がりです。

奥様はもとシャンソンの歌い手なので、いつも美声を聞かせてくださいます。「オー・シャンゼリゼ



ビゴさんは男性とも踊れます。 ア・ビアントの松尾さんも。

おかしな眼鏡はビゴさんからのプレゼント。こちらはじつは元ロイヤルホテル製菓長のコルディエさん。ほんとはとてもダンディな方です。

とても楽しい一晩でした。明日も教室・・。