恋愛小説『初恋リセットAS』

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恋愛小説『初恋リセットAS』のブログです。

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ちょっとエロティックな魔女と恋に堕ちるお話
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軽いレンジの音で
夕暮れに目を覚ます
どこか遠くから聴こえてくる
子供たちの笑い声

辿りつけない痛みを抱え
生きる術もないこの世界で
同じ場所をぐるぐる
回り続けるDAYS

そして気がつくといつも俺は
この場所を歩いてる
どこか遠くから聴こえてくる
生命を刻む鐘の音

誰に恋していいかもわからず
記号のような絶望を抱え
人の姿に押され
眠り続けるDAYS

行ったり来たり繰り返し
刹那と希望の狭間で
名もなき人生に怯えて
踊り続ける愛のタブレット


泡沫は夢の跡
人の心は徒然に
どこかピントがずれたような
影と影だけ交差する

あの日誰かに言いました
愛しているのは貴方だと
その瞬間にはじけ
現実に戻るDAYS

そして気がつくといつも俺は
この場所を歩いてる
そして気がつくといつも同じ
女の裸抱いている

言葉巧みに操られたとして
本性を見破られたとして
仮面の目の部分だけ
失っていくDAYS

羽の跡から伸びてく
天へと続く階段を
登ることなく死に絶えて
奇跡を願う愛のタブレット

行ったり来たり繰り返し
大地と時間の狭間で
プラカードに弧を描き
空に掲げる愛のタブレット


恋愛小説『初恋リセットAS』

恋愛小説『初恋リセットAS』


「この業界で生き残ってるやつなんて、誰も人を信用しない。人を疑うことしか知らず、たまに優しい顔を見せりゃ、金だの権利だの、かすめ取ろうとする奴らばっかだ」

「マジで、白井さんって人は最悪ですね」

「いや、みちあき、俺も同じだよ」

「え?」

「俺だってそうさ。この世で信用できるものは『金』だけだって思ってる。だから俺も生き伸びてこれてんだ。ここじゃ、先に情を見せたほうが負けるんだよ」

「確かに・・・俺も最近、身に染みてるな」

「なぜだかわかるか?」

「え?」

「なぜ、この世界の奴らは、人を信用できないかわかるか?」

俺は及川の質問に、反応できず、小さく首を横に振った

「小心者だからだよ。俺もそう、白井さんもそう・・・。ここで生きてる奴らはみんなそうだ。気が小さいから、人を疑う。そして、自分を強く見せたがる・・」

「俺は、及川さんは違うと思うけどな」

そう答えると、「わかっちゃいないなぁ」と、今度は及川が首を振り、「気が小さくて用心深いから、白井さんも俺も、生き残ってんだよ・・」と続けた

確かに、及川にそういう一面があるのは、わかってる

初めて出会った頃の及川なんて、猜疑心が服を着て歩いているようだった

でも、あきねの母親の命を救った及川も知っている

俺のことを友だちだと、言ってくれた及川も知っている


「なぁ、みちあき」

「はい?」

「俺は、お前が今日、なにをいいにきたか、だいたいわかってるつもりだ」

「・・・はい」

きっと、ゆうきさんが、それなりに伝えてくれたんだろう

「だからな。今日が最後になるかもしれないからな・・」

珍しく及川が、言葉を止めて、小さく息を吸い込んだ

そして、しっかり俺の目を見て言った

「だから、今日は、俺がどういう人間か、ちゃんとお前に伝えようと思ってな」

「え? 俺は及川さんのこと、結構わかったつもりになってたんですけど・・・」

「いや、まだお前は、全然、わかっちゃいねぇよ」

「・・・・・」

「だから、今から俺が、それを教えてやる。お前が片足突っ込んだこの世界がどんなところで、そして俺がどんな人間か教えてやるよ」

そう言った及川は、今まで見たことのない顔をしていた

それは、俺が初めて見た、及川の「素」だったのかもしれない

「ゆうきは、俺の女だ・・」

「え?」

「ゆうきは、最初から俺の女なんだよ・・」

「最初からって、いつから?」

「お前や瀧がゆうきと出会う、ずっと前からだ」


[はじめから]

[登場人物]