初級文法でおなじみの【-아/어 보다】。
「~てみる」と訳せる表現です。
分かち書きはどうする?
【-아/어 보다】を書くときに注意が必要なのは、「分かち書き」です。
【보다】は「見る」という意味の動詞ではありますが、 【-아/어 보다】の場合には、「~してみる」という意味の補助動詞です。
補助動詞は通常前の単語と分けて書きます。
먹어 보다 (食べてみる)
가 보다(行ってみる)
해 보다(してみる)
「お先に失礼します」という時にどうして 【-아/어 보다】を使うの?
【먼저 가 보겠습니다】という文をよく耳にしたことありませんでしょうか。
ドラマなどでもよく登場するこのセンテンスは、通常「お先に失礼します」と訳されます。
この文には【가 보겠습니다】の部分に【-아/어 보다】が使われていますが、使われる場面からわかるように「~してみる」という意味ではありません。
実は、 【먼저 가 보겠습니다】のような文で使われる 【-아/어 보다】 は、「~してみる」と意味ではなく、謙譲語のような、丁寧さを働きをしてくれているのです。
例えば、下の2つの文を較べてみましょう。
① 먼저 가겠습니다.
② 먼저 가 보겠습니다.
①も②も意味は同じ「お先に行きます」です。
ですが、 【-아/어 보다】 が使われている②の方が、より丁寧に聞こえるそうです。
【-겠습니다】は、意志を表すので、【-겠습니다】だけだと、強さが出やすいのかもしれません。
そこに、【-아/어 보다】が入ると、なぜか、ワンクッション柔らかさがプラスされる感じで
「行きます」が「失礼します」に変身するという・・・不思議なのですが、そんなことのようで、韓国人は好んで 【-아/어 보다】を使っています。
(ある研究者の方は、「意志の謙譲表現」という呼び方を使っていました)
「見てみる」は【봐 보다】でいいの?
「見てみます」という日本語、ちょこちょこ使うことがありますが、これを韓国語にする場合 【-아/어 보다】 を使って表現するなら、【봐 보다】となります。
【봐 보다】 は、同じ動詞が重複して、不自然感じに聞こえるからということで、あまり使わないようです(国立国語院の見解によると)。
例えば「その映画を見てみたい」と言いたいときにも、【봐 보고 싶다】とは言わず、シンプルに【보고 싶다】で表現します。
〇 그 영화를 보고 싶어요.
? 그 영화를 봐 보고 싶어요.
とはいえ、【봐 보다】が使われることもあります。
相手に何か指示したり、依頼したりする際には、 【봐 보다】 が自然に使われることが多いのです。
例えば、「ねえ、ちょっと見てみて」という時には、下の例文のように 【봐 보다】 が使われることがとても多いです。
좀 봐 봐요.
(ちょっと、見てみて)
「味見する」は、韓国語で【맛을 보다】と言いますが、「味見してみて」という時にも次のように言うことが多いです。
맛 좀 봐 봐.
(ちょっと、味見してみて)
以上、 【-아/어 보다】 にまつわるあれこれでした。