韓国語を学ぶ上で知ってると便利な3つの韓国史用語 | 小さな町から韓国語

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田舎暮らしをしながら、韓国語教室を運営しているおばさん先生のブログ

外国語を学ぶ際、その国の文化、歴史をしっていると何かと便利なことが多いです。

 

私はもともと韓国に興味があって韓国で仕事をし始めたわけではなかったので、韓国で生活をしていて、よく耳にする単語をきっかけに文化や歴史を知り始めたという逆パータンでしたが。

 

今回は、韓国の人との会話や、ニュース、ドラマ、映画などでよく耳にする歴史的な用語を3つピックアップしてみました。

 

625 육이오

韓国では、数字を並べて歴史的事件を呼ぶことがとても多いです。

その代表格がこの육일오(625)。

 

これは、朝鮮戦争(1950年に朝鮮が38度線を越えて韓国に侵略してきたことで勃発した戦争)が勃発した日(6月25日)を表していて、この3つの数字=朝鮮戦争という意味で使われています。

 

육이오 전쟁】(625戦争)と言うのが、正しい言い方ですが、略して육이오だけ言われることが多いのです。

 

発音は、連音化があるので「ユギオ」。

ドラマや映画、ニュースをみていると、とにかく「ユギオ」をよく耳にします。

 

615때에 부산에 내려왔어요.

(朝鮮戦争の時に釜山に下ってきました)

 

잊지 말자 616 아픔.

(忘れないでおこう朝鮮戦争の痛み)

 

私は以前、釜山でいろんな食堂や市場の取材をする仕事なんかをしていましたが、年配の方々を話したら必ず「ユギオ」が何度も登場していました。

 

「ユギオ」の時に、避難して釜山に来たんだ、とか、「ユギオ」の時は、食糧がなくて苦労したとか・・・「ユギオ」話は本当によく登場する大事なキーワードです。

 

518 오일팔

数字を並べて歴史的事件を表すもう1つの代表格が、【오일팔】(518)です。

 

韓国光州市で1980年5月、民主化を求める学生や市民のデモ隊を軍が武力で鎮圧するという騒動がありました。

 

一連の動きが始まったのが5月18日であったことから、この民主化運動は、【518민주화운동】(518民主化運動)と呼ばれています。

 

そして、略して【오일팔】とだけ呼ぶことも多いです。

 

日常の会話ではあまり接したことはありませんが、テレビ、ニュース、映画などでこの【오일팔】が出てくることがとても多いです。

 

518을 소재로 한 영화는 많았습니다.

(518民主化運動を素材にした映画は多いです)

 

518 관련 행사가 곳곳에서 펼쳐지고 있습니다.

(518民主化行事がいたるところで繰り広げられています)

 

IMF

最後は、数字ではなくてアルファベット3文字、【IMF】(아이엠에프)。

 

【IMF】は、「国際通貨基金」のことで、国際連合の専門機関の一つです。国際金融と為替相場の安定化を目的とした組織です。

 

ですが、韓国人が【IMF】という時には、単にその組織名を意味する場合よりも、1997年に起こった経済危機を意味していることがほとんどです。

 

外貨の急速な流出に直面した韓国政府が、1997年にIMFに緊急融資を申請します。それをきっかけに金融システムが大混乱に陥り、多くの会社が倒産するという事態にになりました。

 

韓国語ではこの経済危機を【IMF위기】(IMF危機)、【IMF사태】(IMF事態)と言ったりしますが、略して【IMF】とだけ言うことがとても多いです。

 

この経済危機の時に、失業したり、倒産したりで、生活が一変してしまった人が本当に多かったようです。

 

普通に会話をしていても、「IMFが起きて・・・」「IMFのせいで・・・」という言葉をよく耳にします。

 

本来は「爆発する」「破裂する」などの意味がある、【터지다】という動詞が【IMF】とセットにでよく使われます。「勃発する」というニュアンスです。

 

IMF가 터졌다】(IMFが起きた)←超定番表現です。

 

제가 고3때 IMF가 터졌어요.

(私が高校3年生の時に、IMT通貨危機が起きました)

 

IMF가 터져서 사업이 망했어요.

(IMT通貨危機が起きて、事業がつぶれました)

 

IMF 사태때 직장을 잃었어요.

(IMT通貨危機の時に、仕事を失いました)

 

私は、このIMF危機の余波がまだあった時期に、韓国に滞在したので、【IMF】による苦労話は、これでもか、これでもか・・・・というぐらい聞きまして、心痛かったです。

 

615、518、IMF・・・どれも単純な数字の羅列、アルファベットの羅列にしか見えませんが、韓国社会においては、とても意味のある用語です。

 

それだけに、普通の会話でちょこっと登場したり、ニュース、ドラマで、出てきたり、なじみの深い用語でもあります。

 

ミニ知識として、頭の片隅にどうぞ。