昨日、〈-(으)세요〉と〈-아/어주세요〉の大きな違いについて書いたところ、良い質問をいただきました。
「〈-아/어주시겠어요?〉は、〈-아/어주세요〉のより丁寧な形という認識でOKですか」
という内容でした。
同じ質問を生徒さんにもよく受けます。
質問してくださった方の理解のとおり、〈-아/어주시겠어요〉は、〈-아/어주세요〉のより丁寧な形です。
〈-아/어주세요〉は、「~してください」
〈-아/어주시겠어요?〉は、「~してくれますか」「~していただけますか」
日本語のニュアンスからも何となくわかるかもしれませんが、「~してください」の方がより積極的なお願いのように聞こえます。
〈-아/어주시겠어요?〉は、疑問文になっていて、相手にしてくれるかどうか確認をとっているスタンスです。
そのため、控えめなお願いに聞こえます。それで、丁寧さが出るのだと思います。
どんな時も、直接的な表現、積極的な表現より、間接的、一歩引いた表現の方が丁寧に聞こえるものです。
英語でも、「~ください」は、すべて「Please~」ではなく、「Would you mind~?」とか「Could you~?」があって、疑問文で聞くタイプの方が、より丁寧に聞こえるようですが、それと似ているのかも?と思います。
で、〈-아/어주세요〉と〈-아/어주시겠어요?〉をどう使い分けるか?
ここは、個人差とか雰囲気です。
例えば、私自身の使い分けを客観的に見たところ・・・
シチュエーション①
食堂でおばさんに〈여기요!〉って声をかけて、何かを依頼する。
→〈-아/어주세요〉を使っている
例:여기 접시 하나 갖다 주세요.
(ここにお皿1枚、持って来てください)
シチュエーション②
タクシーの運転手さんに、行き先を告げる時
→〈-아/어주세요〉を使っている
例:부산역까지 가 주세요.
(釜山駅まで行ってください)
シチュエーション③
タクシーの運転手さんに、もっとゆっくり行ってくれとか、急いでるから早く行ってくれとか、窓開けてくれとかお願いするとき。
→〈-아/어주시겠어요?〉を使っている
例:죄송한데, 더운 것 같아요. 창문을 열어 주시겠어요?
(すみませんちょっと暑いです。窓を開けていただけませんか)
シチュエーション④
人に何か教えてもらう。お店の人に売り場の場所を聞く、地下鉄の乗り場を駅員さんに教えてもらう。
→〈-아/어주시겠어요?〉を使っている
例:갈아타는 곳이 어딘지 가르쳐 주시겠어요?
(乗り換え場所がどこか教えていただけますか)
なんとなく、
自分の立場として(お客としての立場)、堂々と依頼できる権利があると確信している時には、積極的な依頼〈-아/어주세요〉を使っていて、
プラフアルファで何かお願いしたいようなときには、ちょっと控えめに、下から行く感じで、〈-아/어주시겠어요?〉を使っている、何気に腹黒い自分に気づきました。
(値切ってほしい時なんかは、さらにへりくだって下から行って、オブラートに包んだ柔らかい表現を使ったりしています)
あとは、屋台とか、ガヤガヤした大衆食堂や、市場なんかの場合には、雰囲気的なことからなんでしょうか、勢いづいているからでしょうか、ガンガン〈-아/어주세요〉を使って、「積極的にお願い」をしている自分がいます。
以上の例は、あくまで、私個人の使い分けですので、どこまで参考になるか分かりませんが・・・
でも、
「積極的に依頼をする」
「ひかえめに依頼をする」
どちらが適切なのか、時と場合と雰囲気と自分のマインドと・・・いろんなものを照らし合わせて〈-아/어주세요〉と〈-아/어주시겠어요?〉を使い分けると良いのかなと思います。