「初めまして」のご挨拶【처음 뵙겠습니다】に登場する【뵙다】という動詞に注目したことありますでしょうか。
好奇心旺盛&鋭い視点をもった私の韓国語教室の生徒さんは
「【뵙다】 ってどうやって活用するんですか?ヘヨ体はどうなりますか?」とか
「【뵈다】って形も見かけましたが、これは同じものですか?」など鋭い視点で質問をされます。
今日はこの 【뵙다】 と、そして似ている動詞【뵈다】 の共通点、違いを見ていきましょう。
【뵙다】 と【뵈다】は見た目がそっくりですが、よく見てください。パッチムありと、パッチムなしとで、違ってますので、ご注意ください。
【뵙다】 【뵈다】
【뵈다】の意味
まず、パッチムのない【뵈다】からですが、実はこの【뵈다】は主に3つの種類があります。
①他動詞【보이다】(見せる)の縮約形
②自動詞【보이다】(見える)の縮約形
③他動詞【보다】(見る)の謙譲語「お目にかかる」「お会いする」
今回は③「お目にかかる」の【뵈다】に注目していきます。
【뵙다】の意味
次に、【뵙다】ですが、【뵙다】には、「お目にかかる」「お会いする」という意味しかありません。
これは、先ほど紹介した【뵈다】の③の意味と同じです。
※辞書などでは 【뵙다】 が【뵈다】よりもさらにへりくだった感じを出す・・・とも書かれていたりもします。ですが、日本語にするならどちらも「お目にかかる」なので、意味的には使い分けは不要かと思います。
意味は同じですが、違いもあります。それは、活用形に関するものです。
【뵙다】の活用には制限がある
どういう違いかというと、【뵙다】には活用に制限があり、「子音から始まる語尾」としかくっつきません!という点です。
「子音から始まる語尾」というと、例えば【-겠습니다】, 【-고】, 【-지 않다】など、つまり第1活用グループのみです。
逆に、「子音から始まらない語尾」=「母音から始める語尾」というと、【(으)면】,【(으)러】,【아/어요】,【아/어서】など、つまり第2活用や第3活用グループです。
まとめると、 【뵙다】は第1活用グループでしか使えない!ということなのです。
それ以外の活用グループにつなげる場合には、同じ意味である【뵈다】を使って表現するしかないのです。
一方、【뵈다】にはこのような制約がなく、 「子音から始まる語尾」 でも「母音から始める語尾」でもOKなのです。
具体的に見ていきましょう。
第1活用グループ
まず、第1活用グループの場合。
第1活用グループは 「子音から始まる語尾」 なので【뵙다】はOKです。
何の制約もない【뵈다】も使えます。
(※実際には、 第1活用グループ の場合、圧倒的に【뵙다】が使われていますが)
〈-겠습니다〉
〇 뵙겠습니다. (お目にかかります)
〇 뵈겠습니다.
〈-고 싶어요〉
〇 뵙고 싶어요. (お目にかかりたいです)
〇 뵈고 싶어요.
〈-지 못하다〉
〇 뵙지 못했어요. (お目にかかることができませんでした)
〇 뵈지 못했어요.
第2活用グループ
第2活用グループは、 「母音から始める語尾」 なので【뵈다】しか使えません。
〈-(으)면〉
〇 만나 뵈면 (お会いしたら)
× 만나 뵙으면
〈-(으)러〉
〇 만나 뵈러 갑니다. (お会いしに行きます)
× 만나 뵙으러 갑니다.
〈-(으)ㄹ까요?〉
〇 만나 뵐까요? (お会いしましょうか)
× 만나 뵙을까요?
第3活用グループ
第3活用グループも、 「母音から始める語尾」 なので【뵈다】しか使えません。
〈-아/어요〉
〇 뵈어요 / 봬요(縮約形) (お会いします)
× 뵙어요
〈-았어요/었어요〉
〇 뵈었어요 / 뵀어요(縮約形) (お会いしました)
× 뵙었어요
〈-아서/어서〉
〇 뵈어서 / 봬서(縮約形) (お会いするので、お会いして)
× 뵙어서
国立国語院によると、このように「子音の語尾としかくっつかない」という制限がある動詞は すごい珍しいようです。
「처음 뵙겠습니다」なんてさらっと言ってますが、実はレア動詞を使ってたという・・・ちょっと不思議な感じです。