長年授業を続けて行くと、徐々に生徒さんのレベルが上がっていきます。
ハングル文字から始まって、初級になって、そして中級に。
中級のテキストは、字がかなり小さめ。リスニングも速め。
いろいろ大きな変化があります。
教える側として感じる大きな変化は、中級になると
言葉で伝えられないものが多くなる
ということです。
例えば、初級の場合、
〈-아/어도 돼요〉は、「~してもいいです」。
〈-면 안 돼요〉は、「~してはいけません」。
というように、ぴたっと日本語に訳せるので、理解しやすいのです。
ところが、中級になると、そういうものばかりではなくなります。
「〇〇というニュアンスを表します」「〇〇というニュアンスがあります」
というような説明がされているものが増えていきます。
例えば、語尾表現の〈-거든요〉は、話し言葉で、相手が知らないことについて新情報を伝える時に使われるのですが、日本語にするなら「~なんです」ぐらいしかなりません。
しかも、この表現が使われる場面によって、ニュアンスも口調も大きく変わってきます。
他にも、語尾表現の〈-더라고요〉も、過去を回想して、客観的に伝える時に使う表現なのですが、「過去を回想して、客観的に伝える」と言われてそう簡単にはピンとこないと思います。
しかも、〈-거든요〉〈-더라고요〉も、シンプルにヘヨ体で表現したって良いのですが、〈-거든요〉〈-더라고요〉を使うことで、特別なニュアンスが乗っかってくるのです。
そういうことを、口でいくら説明しても、バシッとは心にはまりません。
じゃあ、どうする?
ニュアンスをつかむ、
どういう時に使われる表現なのかを感じ取る、
そのためには、たくさんの例文をインプットするのが近道なように思います。
そして、その時、韓国ドラマが本当に役に立ちます。
私の生徒さんも、
「この表現、怒りの場面で使ってますよね」とか、
「この表現、好きにしろって感じな時に使ってますよね」とか、
ドラマをたくさん見ることで「発見」しています。
ドラマをたくさん見れば、先ほどの〈-거든요〉〈-더라고요〉がわんさか出て来ます。
インプットをたくさんすることで、自分なりに、感じ取るものがあるはずです。
もうそれは、言葉を越えたもの。フィーリング、ハート、気持ち、心。
超大量のインプットをすることで、韓国語フィーリング、韓国語ニュアンスをつかんでいく、それが賢い方法だなあと、思います。
うれしいことに、韓国語のニュアンス、フィーリングは、日本語に近いものが多いです。
とにかくインプット、それが大切なのかなと、中級テキストを見ながら、思っています。