林正英 ラムチェンイン インタビュー 完全版 2/2 | 秒速5センチメートル

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※香港映画ハマり中です

※ブログタイトルは新海誠さんの作品から拝借いたしております。

こちらはインタビューの続きです。

※前ページ「ラムチェンインインタビュー 完全版 1/2 」からご覧ください


B:あなたをスターの座におしあげたのは詠春拳の映画「ユンピョウinドラ息子カンフー」でしたね。この映画を撮るまでは脇役だったのに、ユンピョウ、サモハン、フランキーチェンと主演することになりました。突然、映画の重要な役割を担うことになり、不安はありませんでしたか?

 

L:ユンピョウもサモハンも私の友人だったので、気楽でした。ドラ息子カンフーの撮影を振り返ってもプレッシャーをあまり感じなかったと思います。

 

B:ドラ息子カンフーで使われた詠春拳(の流派)について教えてください!

 

L:ガイライ(黎應就)という先生がいました。私たち出演者はすでにカンフーの基礎がありましたので、簡単に詠春拳の動きを学ぶことができました。

 

B:あなたの(京劇学校時代の)恩師は・・・

 

L:粉花菊先生です。

 

B:ドラ息子カンフーはカンフー映画の中で私が一番好きな映画です。特にお気に入りのシーンは水上レストランでフランキーチェンと戦うシーンです。

 

L:(笑う)

ラウカーリョン師父は実際に新しいカンフーの動きや武器を創り出したのではるかに優れていると思いますよ!

 


B:あなたは謙虚な人ですね。

サモハンと共演した別の映画に、フィリピンで撮影された「イースタンコンドル」という映画がありますね。この映画には、「キリングフィールド」という映画でアカデミー助演男優賞を取ったハイン・S・ニョールが出演しています。彼は今アメリカに住んでいますが、昨日(ニョール氏が殺害された日が1996225日、このインタビューは227)ロサンゼルスで射殺されました。政治的な理由が絡んでいると思いますか?

 

L:個人的な意見ですが、彼を殺害する政治的理由はないと思います。

 

B:この映画で彼と一緒に仕事したときこと覚えていますか?彼と一緒に仕事できて良かったですか?

 

L:彼はとても安定した人で、ごく普通の人でした。全く俳優のようではなかったです。

 

B:グリーンホーネットや一眉道人の監督もされましたね。監督や俳優は楽しいですか?

 

L:(笑う)もちろん、監督するとより充実しますよ!

 

B:俳優としてあなたが気に入っている映画は?

 

L:「七小福」です。プロデューサーはとても厳しい人でしたね。私はサモハンの京劇学校の弟役を演じました。

 

B:この映画は実話ですか?

 

L:いくつか実話ですが、いくつかはフィクションで映画に追加されました。

 


B:これまでのあなたのことについて伺いたいのですが、いま何歳ですか?非公表だったりしますか?

 

L:全く問題ありませし、非公開ではありません。45歳です。

 

B:結婚していますか?お子さんは?

 

L:離婚しています。子供は2人います。

 

B:香港とカナダとどちらにいる時間が多いですが。

 

L:香港ですね。香港にいたいと思いますし、香港人と居るのが好きです。

 

B:ご家族は中国のどちらのご出身ですか?

 

L:私は香港で生まれましたが、家族はもともと上海です。

 

B:最後に、2、3質問させてください。テレビドラマ版霊幻道士を作ろうというのは誰のアイディアだったのですか?

 

L:(笑いながら英語で)私の上司です。制作の管理者。

 

B:映画の霊幻道士には吸血描写、その他似たようなシーンがありますが、テレビドラマでは見せられないものもありますか?

 

L:(英語で)もちろん。

 

B:そしてアクションは映画と比べ厳しいものではありませんよね?

 

L:コメディ番組と同様にストーリーは子供向きでないとなりません。テレビを視聴する人にとっても気楽に観られるものでないとなりません。

 

B:テレビドラマ版霊幻道士はなぜこんなに人気があると思いますか?

 

L:それは幽霊や吸血鬼のような…摩訶不思議で霊的なものだからです。中国の人は迷信深いのでそういったものをもっと知りたいと思っています。自分が見ているものの多くは、ただの作り物(ニセモノ)と教えなければならないですね。

 

B:本当に幽霊退治を頼みにあなたのところに来るのですよね?本当にあったのですか?

 

L:はい、頼みにきました。本当にありました。

 

B:道士を演じることにとても誇りを持っているのですね。私の質問に答えていただきありがとうございました!









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 このインタビューで気になったとことを補足…



米国版霊幻道士の頓挫した話でラム先生が関わっていたように思えますが、実際この件にラム先生は関わっておらず、代わりに元華が関わっていたようで詳細がまだ調べていませんが、この件からラム先生は西洋人に対し反感を持っている的な噂?が立ってしまったようです。

実際はラム先生は反感を持っていたことはなく、太陽之子で共演したシンシアクロスロックからもラム先生とうまくやっていたという言及があったようです。


この話で思い出すのが…昨年東京国際映画祭で来日したトビーラッセル監督にお会いした際にラム先生のお話を伺ったこと


ラム先生はトビー監督に対し最初フレンドリーでなかったようで、それはラム先生が西洋人に対してあまり良い感情を持っていたからと監督がおっしゃっていたのを思い出します。


左の男性がトビーラッセル監督


後日、香港のレストランでラム先生と陳龍・陳會毅兄弟が一緒にいたところに居合わせ、トビー監督が持っていた京劇の本にラム先生が強い興味を示し、京劇について談義したそうです。 

普段静かなラム先生もアレコレ話し出し、トビー監督が間違いを指摘したら苦笑いする場面もありそれから懇親が深まったそうです。


ゴールデンハーベストの事務所前での一枚

トビー監督とラム先生

霊幻道士5でドラキュラ役の俳優が行方不明になった際もラム先生からトビー監督に代役オファーがあったそうですが、キバが口に入らず出演には至らなかった話も伺いました。 


倉田先生も七福星などでラム先生と現場で一緒だったのですが、ラムチェンインはいるかいないかわからないほど静かな人だった…とのこと。



あとはあんなに道士がハマり役だったのに幽霊などを全く信じていないこと。
役になりきるためラム先生の事務所は道教に関する書籍やグッズが所狭しと置かれていたそうですが、これだけ没頭しても幽霊は信じず…
私は霊幻道士からラム先生を好きになったから道士以外は考えられないと思っていますが、ご本人はその固定イメージから脱却したかったのかなとも今回感じました。

七小福で演じたスタントマンで食いつないでる悲しげな京劇俳優のような…普通の人の役をもっと演じたかったのかもしれない。



最後に近況報告ですが転勤で今春、関西に引っ越しました。

家族、友人など関東にいますのでまた一から生活基盤作っています。
9月以降はラム先生が若い時に出演された冷面虎や海員七號の京都ロケ地を巡ってきました。これもTwitterには上げてきたけどあらめてブログにしたい。
日本に…京都に…46年前のここにラム先生がいたのかと思うとなんだか感慨深いです。
こんなことからとある縁で来春この二作の上映会を京都で行います。今からとても楽しみです。

関西では詠春拳続けることができず、ムエタイ始めました。
上が詠春拳で使ってたグローブ、下がムエタイ用
右肩負傷中なんで早く治して完全復帰したいです。