沖縄県民投票 | What a wonderful world

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辺野古基地反対が多数となった投票結果。
やはり沖縄は凄い‼️

外野がどれだけ騒がしかろうが、有資格者の方々が冷静に判断された結果だろうし、我々本土の人間もこの民意に真摯に向き合う必要がある。

前日読了した真藤順丈氏の直木賞受賞作「宝島」。
本土返還前の米軍施政下に、戦果アギヤーと呼ばれた若者たちの命の煌めきと、沖縄が現在も背負わされている基地負担の歴史が詳細に描写されており、一気に読むというより、何か一つ一つ噛み締めるように読み進めた。

著者の真藤氏が受賞スピーチで県民投票について語っていた言葉も印象的だった。以下、沖縄タイムスから。
"「賛成か反対のいずれかに明確な声を上げてもらいたい。もし、示された民意と正反対の施策が進められてしまったとしても、(県民投票の)以前と以後では違う世界が待っていると思っている」と述べ、県民にエールを送った。"

旗幟を鮮明にする、それが大事ということなのだろう。民主主義のスタートはそこからだ。
立場の違いを明らかにし、問題点を追及し解決策を模索する。時間のかかる面倒なプロセスだが、これをおざなりにすれば、あっという間に民主主義は崩壊する。

最近のニュースを見れば、ゼネコンの為だけにやっているのではないかと感じる今回の辺野古基地建設や、GDP改竄すら疑われる統計偽装、でたらめな北方領土外交、ノーベル賞推薦、相次ぐ自民党議員の不祥事や大臣の能力不足等々、枚挙に暇ない。

Iot機器への政府による無差別ログイン調査やら、違法ダウンロードの範囲拡大、官房長官会見における東京新聞記者への個人攻撃など、監視や表現の自由まで強権的に奪い去ろうという姿勢に恐怖を感じることもある。

耳鳴りのするアラフィフのおっさんは、こんなニュースは正直聞きたくないが、嫌でも耳に入ってくると、ひととおりの憤りを感じる訳で。

そんな中、今日の沖縄県民投票の結果と、天皇陛下在位30周年記念式典での陛下のお言葉と三浦大知君の心に染み渡る歌唱は、一服の清涼剤だった。

陛下のお言葉には、日本国憲法に規定される"象徴"というワードが何度も込められていた。
敗戦によって、それまでの天皇を取り巻く環境が激変する中、天皇のあり方や国民との向き合い方を真剣に考えられ、何十年にも亘り模索された結果に辿り着いた現在の鎮魂と慰問の日々。

憲法上政治的発言が許されないお立場にありながら、ご自身が体現されてきた"象徴"という意味を、次代にも継承して欲しいとのお言葉は、国民に寄り添うという姿勢を鮮明にするギリギリのラインだったのではないか。

終わりに陛下が作詞、皇后陛下が作曲された沖縄の歌を、沖縄出身の三浦大知君が感動的に歌い上げた。胸の奥が揺さぶられる感じだった。

皇太子時代の両陛下は、返還間もない沖縄を訪問され、過激派から火炎瓶を投げられたこともあったが、決して寄り添う姿勢を忘れず、その後も10回に亘り沖縄を訪問されている。

それに引き換え、県民投票やる前から、結果の如何を問わず、基地建設の方針は変わらないとか宣う政治家達って何なんだろう。もはやツートップは全能感漂ってる感じだし、陛下のことも権威付けの道具ぐらいにしか見ていないのではないか。

個としてこのような権力者に対峙していくのは、並外れた精神力がなければ難しいだろう。一歩間違えれば牢屋入りも現実味を帯びるし、場合によっては…。やはり一人一人の有権者が連帯して声を挙げるしか方法はないのだろう。

本当に一刻も早く、まともな社会に戻れるように、次代に負の遺産を残さないよう、一つ一つの問題点を洗い出し、丹念に議論し、時間が掛かろうとも誠実に解決に向かって努力する、こういった政治を取り戻すことが、今の時代に生きる我々の責務だろうと思う。