キャパになれなかった | What a wonderful world

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職場に戻る車中で、ラジオドラマを聴いた。

「キャパになれなかったカメラマン ベトナム戦争の語り部」 というタイトルだったが、どっぷり感情移入してしまった。

今まで正直なところ、戦場カメラマンの方達は、伝えるべき事があるという正義を振りかざしながら、少なからず功名心や、麻薬のような戦場での刺激を求めて、好んで戦地に赴くのではないかと、懐疑的に眺めていたのだが、そんな見方を変える内容だった。

知る権利、知らせる権利ではなく、伝える義務。この義務を果たす事が正しいことと信じて行動するならば、その行動は道徳的価値があるということか。


今、巷で話題の戦場カメラマンの方も、平和呆けしている自分には、想像もつかないような光景を、あの金壷眼に焼き付けてきたんだろうな。

惜しむらくは、バラエティで色物的な扱いを受けるのではなく、もっと内面まで深く掘り下げた形で、人物像に迫れないものかなぁと感じたりする。


最近、「きけ わだつみのこえ」を読み始めた。

自分の祖父も戦争で命を落としているが、この本に収録された遺稿は、どれも抑制された表現の中に溢れるような想いが詰まっている。

国家のために死を選ばざるを得ない状況や時代。

そんなことを二度とこの国で繰り返さないためにも、戦場カメラマンの方達が命を賭して撮影した、今この瞬間にも世界の何処かで起こっている紛争を直視していかないとなー。