今月 17日から始まる
 「臨床犯罪学者 火村英生の推理」
 
 主演は 齋藤工・窪田正孝
 日本テレビ系「日曜ドラマ」

 日曜22:30- 23:25放送予定
 HP http://www.ntv.co.jp/himura/index.html

 長く続く人気シリーズ[作家アリスシリーズ]とも
 [火村シリーズ]とも呼ばれている作品の中から
 ドラマ化されるのは、今のところ数話が判明
 
 御贔屓の窪田君が出演されているということで、
 15年くらいぶりに、シリーズ再読中です。

 
これから何作か本の感想を書いていく予定ですが
 
 ・簡単な感想
 ・気になるセリフやエピソード
 ・短編集だったらどれをドラマにしてほしいか
  (個人の願望として)
 ・ドラマになるお話の予想など

 書いていきたいと思います。

 このお話は、ドラマ公式を見るに、ヒロインがしっかり
 キャスティングされているので、ドラマにはなると
 思ってるんですが、キャラクターだけ借りて
 事件自体はスルーなのかもとちょっと心配
 実は気に入っている作品なんです。

■感想
 この作品の好きな処は、火村やアリスがとても優しい処
 朱美への心遣いが温かい。

 もうひとつ “重ね”の効果がすばらしい処
 
プロローグで、この世の終わりともいえる禍々しい夕日のあと
 いちど普段の色に戻るものの
 キャラクターの名前(朱美・火村)・夕焼け・火事の炎・
 大空襲の赤く染まった夜空
と、何層も重ねるように
 クライマックスに向かっている。

 また、会話の中に、重ねられるそれぞれの想い

 作中の「問いかけても答えないと確信しているものに
 答えてくれないと確信しながら問いかけるというのは
 切ない行為だと思いませんか」
という朱美の言葉は
 火村を心配するアリスそのもので、読んでいるこちらが
 心がキュッとなるのですが、アリスは真摯に穏やかに
 朱美を安心させるように話をしていて、アリスの気持を
 思うと とても切ない。

 火村にしても、自分の過去を重ねながら それでも
 朱美をおちつかせ、安心させるために、
 汗びっしょりになりながら、飛び起きるほどの悪夢を明かす。

 このお話での朱(夕日)は禍々しいものだけど、
 ただそれだけではないとも思う。
 私の好きな色に「真朱」という色があり、よく鳥居に
 用いられている色です。ちょっと調べたら
 朱色とは元来は天然赤色顔料「辰砂」の色であり
 色名としての朱色は本来この色をさす
…のだそう

 魔力に対抗する力があるとされます。

 禍々しいと表現されている近作の朱
 だけど相対する意味もあったんです
 守護としての朱それもこのお話の中で感じたことです。
 
 さて、犯人のことをちょっとただひたすら小賢しいww
 
また、動機にはちょっと意表を突かれました
 人のことは言えないけど、まわりと比べないと自分の存在意義を
 見いだせない寂しい人だなと思った。


■気になったセリフやエピソード
 (ドラマで見たい聞きたい含む)

 
<プロローグ>
 ・舌打ちしたくなる場面
 ・夕占
 <第一章>
 ・語り明かす
 ・「これでも飲んで機嫌を直しなせえよ旦那」
 ・猫のようにゴシゴシ
 ・「嬉しそうな顔してナに抜かしてるんだよ」
 ・「わ・か・り・ま・し・た・か」
 <第二章>
 ・20歳過ぎてからの出会い
 ・イケナイものを見られたようなことを言いやがる
 <第三章>
 ・しんとく丸
 <第四章>
 ・思いがけない楽しみを拾うことがあってもいい
 ・もぐったり沈んだり
 ・きもとおなじさ、めろめろだったさ
 ・鈍感な心配性
 ・切ない行為
 ・火村が引きづり出したいもの
 ・みんなでおだてて寿く
 ・1万円分
 <第五章> 
 ・仮構されたフィクション
 ・犯罪的にも傲慢
 ・いないものに代理はない
 ・「こんなぐるぐる回る家いるもんか」
 ・火村の悪夢
 ・シャツの裾で拭う
 <終章>
 ・積年の疑問
 ・気まぐれに道産子
 ・圏外
 ・「あなたにとって彼女はどんな存在ですか」
 <エピローグ>
 ・自分を撃つ
 ・生まれ変わるために沈む