
いつも利用する図書館へ、平日、本を返しに行った。
館内はガラガラで、他の利用者はない。
返却のためすぐにカウンターへ向かったところ、すっかり顔なじみのスタッフさんがいた。
彼女は私を見るなり、後ろを向いて、「来たよ!来たよ!」と誰かに言った。
来たって、私のことか?
頭にハテナマークを浮かべていたら、奥から制服姿の女の子が現れた。
なじみのスタッフさんは私へ説明した。
「学校の、職場体験を受け入れてまして。手続きを生徒にさせたいのですが、お時間大丈夫ですか?」
なるほど、そういうことねー!
今日は朝から利用者がなく、やっと来たのがこの私だったらしい。
「大丈夫です、ぜひお願いしますー」
緊張した様子の女生徒が窓口に立った。
こういうとき私はついつい張り切ってしまう。
「この子が手続きしやすいように、分かりやすく伝えないと…!」
なじみのスタッフさんへはいつも、本を渡して一言、「返却と貸し出しお願いします」しか言わない私。
でもこの日は、もっとちゃんと、分かりやすく伝えた。
「本を返しにきました。返却手続きをお願いします。
あと、取寄せをお願いしている本が届いていると思うので、そちらの貸出手続きもお願いします」
噛まずに言えました
生徒にも、一発で伝わったらしい。
無事手続きは終わり、新しい本を受け取った。なじみのスタッフさんからは、ご協力ありがとうございましたと言われた。
いえいえこちらこそ。利用者としての責任をまっとうできて私も大変光栄です。
…とこれが、昨年の今頃の話である。
なんと今年もまた、図書館に行くと、同じスタッフさんに声をかけられた。
「社会科見学で図書館にくる生徒たちへの資料に使いたいので、お写真撮らせてもらえませんか?」
この日、スタッフさんは撮影チャンスを狙っていたらしい。
私の借りる本の数が一番多く、カウンターで山積みになっている。こりゃあ一番「ばえる」ぞということで、白羽の矢が立ったのだ。
「写真!いいよいいよ!撮って撮って!」
言いながらささっと髪を整えたら、写すのは手元だけだと。
髪の毛整えてしまいました恥ずかしいです
そんな感じで昨年に続き今年も、この図書館のお役に立てた。
毎週毎週たくさんの本を借り、大変お世話になっている施設だ。
私は完全に外部の人間だが、利用者として頼りにされると、ちょっとは恩返しできたかなと嬉しい気持ちになる。
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