
ウー・ウェンさんという中国料理家がいらっしゃる。
シンプルな中国家庭料理を得意とするウーさんは、その暮らしもシンプルだ。
以前にちらっとブログで触れた著作が、とってもおもしろかった。
「本当に大事なことはほんの少し」
ウーさんの生活が 「シンプル」になったのは、日本人だったご主人の病死がきっかけである。
9才と1才のお子さんを抱え、中国人のウーさんは異国の日本で一人、家事に育児に仕事にと回していかねばならなかった。
そのためには、すべてをどんどんシンプルにしていく必要があったのだ。
当時の様子が、本書の後半に記されている。
いつもスマートでかっこいいウーさん、というイメージだったから、こんなに苦労された方だとは思わなかった。
そんな方が、まさに「自分のために」、不要な工肯をそぎ落とし、美味しいレシピとしてまとめたのが、次に読んだこちらの本。
「10品を繰返し作りましょう」
野菜と肉の二種炒め、キャベツだけ、小松菜だけ、といった青菜のシンプル炊め、塩焼き、煮物、スープなど、かんたんな料理を極限まで美味しく作るコツがギュッと詰まった本である。
「レシピ」というと、材料と手順が箇条書きで記されるイメージだが、本書はちがう。
たとえば「小松菜の炒めもの」。本当にただ炒めるだけなのだが、なんと文字のみで丸々2ページも割かれている。
なぜこうするのか、という理由説明が、すべての工程で記されているからだ。
「豚とキャベツの炒めもの」も、4ページ分ぎっしり文章である。
盛り付けは「小高く」ということまで書いてあるが、
「見た目がかっこいいから高くするんじゃないですよ。
平らに盛るよりも縦に盛った方が料理が冷めにくいから、重ねて高く盛りつけるんです。」
と、これだけで何文字だ?
でもそんな説明のおかげで、なぜこうせねばならないかというのがスッと頭に入ってくるし、自分もそうしよう!と思えるようになる。
和食のダシとはまた違った、中華の、油の「ウマッ!」てやつを家で再現できそうな小技が詰まっている。よく使う食材の扱い方は特に参考になった。
私が一番苦手な料理は、野菜炒めだ。これをもし美味しく作れるようになれば、めちゃくちゃラクチンである。ウーさんの「シンプル」にちょっとでも近づけたらいいな。
ところで以前に、ウーウェンさんの真似をして買ってみた、マルホンの高級ごま油があるのだが…
あれからしっかり1本使ってみた感想だが、私には分不相応すぎた。
ならばこちらはどうだ、と思いカドヤの太白ごま油も買ってみたが、
やっぱりこっちも分不相応だった。
いつも使っている米油との違いが、結局最後まで分からなかったのだ。
雑な舌しか持ち合わせていない私、無念である。
太白ごま油のリピートはしないが、空ボトルの方は捨てずに再利用中。
いつも大容量を買う米油がそのままでは使いづらいので、太白ごま油の空ボトルに詰め替えている。
「高いけど…使ってみたいな…」というウジウジした気持ちが今回でスッキリ消えたので、良い経験だった。
私はこれからも米油でがんばる。
※これを2件申し込みました。
※ウーさんの本はこちらの二冊です。
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