現在専業主婦の私は、数年前まで文具業界で働いていた。
10年以上仕事をしたが、取り扱うのは「ザ・事務文具」ばかり。
おしゃれな海外文具や、見た目に可愛い文具なんかに触れることはほぼなかった。
私自身、文具は見た目よりも、機能性や、開発に致るまでの背景なんかに惹かれて選ぶことが多い。
市役所や銀行の筆記台に置かれているボールペンの、品番をチェックするのも好きだ。地味な情報をどこまでも追いかけたい。
さて、こんな本を読むのも好きである。
「じわじわくる文具」
表紙にある通り、
「ぱっと見ではわからないが、わかると一生使いたくなる」文具を紹介する本だ。
へー、こんな文具があるんだ〜、とふむふむ言いたいだけで、読んで「欲しい!」となることなんてほぼ無い。
が、今回ばかりは「欲しいぃ!」と思うものを見つけてしまった。
ミドリの2穴パンチである。
正式名称はXSコンパクトパンチ。
ミドリというメーカーには、「XSシリーズ」という文具のラインがある。
小さくて持ち運びやすいサイズの文具を展開していて、なかでもこの2穴パンチは、パンチなのに折りたたんで収納できるのだ。
なんと「ペンケースにすっぽり入るサイズ」にまで小さくなる!
それでも、数年に一度くらいは使いたい場面が発生するから、無いと困る。
が、あっても「要らん」という矛盾。
せめて片付けるときくらいは邪魔にならないでいてほしいのに、2穴パンチってやつはなぜにあんなにかさばるのか!
そこへきてミドリのXSコンパクトパンチなら、畳むと長方形の手のひらサイズに収まってしまう。
とっても片付けやすい。
家で邪魔にならない。
こんな商品があると知ってたら、普通のパンチじゃなくてこれ買ったのに。
悔しくなって調べたところ、商品の発売は2021年だった。ものごっつ最近やな。それなら買えなくても仕方ないな。
…うちのデカいパンチを、このXSパンチに買い換えたいくらいだがな…
昔リヒトラブからも折りたたみパンチが発売されたが、あれも開いた形は「いつものパンチ」だった。
だから、パンチといえばあの形のまま、あれをいかに小さくするか、しか選択肢はないと思っていた。
対して、ミドリは三角形に立ち上がる。
全く違う形の商品にしてしまっているのがすごい。
ちなみに、コンパクトな2穴パンチはダイソーにもあるらしい。
穴あけの適正枚数はコピー用紙1枚らしいが。
それに比べてミドリのXSパンチは、一度に5枚まで穴あけOK。
適応量が5倍だぞ5倍!
価格はダイソーの10倍だけど。
(小売価格:1,000円前後)
…と、こういった絶妙に気の利いた文具を色々と紹介していた文具本が、「じわじわくる文具」。
これは文具カタログ的な作りではなく、読み物的な要素が強い。
夫婦二人三脚で文具メーカーを創業した著者の松岡氏が、奥様に「別れよう」と告げるところから話は始まる。
発行日は2022年。情報としても新しいので、書いたり読んだりが好きな人におすすめしたい、楽しい文具本である。
※楽天・アマゾン双方で立ち読み可能です。
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