我が家にはひとつルールがある。
それは、毎日息子が持って出かける水筒について。
「お母さんが夕飯の片付けを終えるまでに、息子が水筒をシンクに出さなかったら、その水筒は息子が自分で洗うこと」!
ルールを決めたその昔に、水筒の洗い方も教えた。
洗い方といってもまぁただ洗うだけで、パッキンの外し方の説明と、口を付けるところは汚れやすいからしっかり洗ったほうがいいよ、とかその程度だ。
とはいえ、子どもが水筒を出し忘れるのはまあ仕方ない気もしている。
だから私も彼に任せっぱなしにはせずに、「ゆきん子くん、なにか忘れてないですか〜?」とゆるく催促することが多い。
その日はたまたま、私も息子も、水筒の存在を夜まですっかり忘れていた。
「あああ!」と言いながら、遅れて水筒を出してきた息子。
それで私も、洗ってなかったと気がついた。
いつもなら彼が自分で洗うところだけど、私も私でたまたま食器の洗い物が追加されたから、ものはついでと息子の水筒もそっと洗っておいた。
そしたらだ。
自分の水筒を洗おうと台所へ来た息子が、すでに洗われた水筒を見て、びっくりして言った。
「お母さん!僕の水筒洗ってくれたの!?ありがとう!!」
…水筒洗っただけなのに
お礼を言ってもらえた…!?
子どもの頃の私は、ろくにお手伝いをしなかった。水筒を洗う母に「ありがとう」なんて言った記憶もない。
だから、水筒を洗っただけで、我が子からこんなに素直な、心からの「ありがとう」を聞けるなんて、ちょっと考えていなかったのだ。
出し忘れた水筒を洗うのは自分の仕事だと、子どもながらにちゃんとしっかり思っている息子もすごい。
なんとええ子や。誰が産んだ?
私が産んだ!
でも、育てたのは私じゃないなとは最近よく思ってる。
彼がまだ幼かった昔は、私が育てた!と思っていたけど、すっかり少年となってからは、私はただ一緒に遊んでただけ。
いろんな優しい人との関わりの中で息子は育ててもらっていて、彼の口から発せられる「ありがとう」も、そんな優しい人たちのおかげで私は聞くことができるんだと思ってる。
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