長年勤めていたパート先を今年、退職した。

 

辞めたことを最も実感したのは最終出勤日の帰り道、ではなく、すべてが終わってから数ヶ月後、会社指定の給与口座を解約したときだった。

 

 

勤め先では、某大手金融機関が給与振込口座として指定されていた。

社員は全員そこに口座を持たねばならなかった。

 

しかしこの銀行が大手すぎて、近所にはそうそうATMが無い。 メインバンクとするには使い勝手が悪いので、給与を受けとるためだけに持っていた口座だった。

 

これを解約したときに私は、ついにあの会社と縁が切れたんだと、しみじみした気持ちになった。

 

 

 

 

解約された通帳を見ると、パートになる前、まだ正社員だった時代の給与額が印字されていた。

 

思っていた以上に薄給だった。

手取り14万円のボーナス無しである。

もうちょっともらっていた気がしていたが勘違いだった。

 

 

新卒3年目の転職で、キャリアアップのためでもなんでもなかったから仕方がない。

これでも当時は、リーマンショックの影響なんかもあって、転勤なしノルマなしの事務職にしてはかなりの好条件だったのだ。だから応募者も殺到したらしい(社長談)。

 

 

ただその後の昇給はほぼ無く、不況によりボーナスも全カットされたのは、採用された側としてもちょっと想定外だった気がする。

 

3年に1度、10万円のボーナスがあれば良い方、という感じ。

 

 

 

 

 

手取り14万円生活でも一人暮らしなら意外と楽しくやれるもので、キリキリとした節約生活をした記憶はない。

 

友人たちとどんどんカフェにも行っていた。

ただし、行った先のカフェで「ケーキセット」なんてものは頼まない。

 

美味しそうなレアチーズケーキを食べる友人の隣で、3時のおやつどきにロコモコ丼とかクリームパスタとかいう「飯」で 腹をふくらませる、これが薄給OLによるカフェのたしなみ方である。

 

旅行だってした。

新幹線や飛行機ではなく、長距離バスや電車を乗り継いで。

 

 

カフェや旅行には行ったが、絶対に行かなかったのはコンビニだ

(家計管理のミソがここにあるような気がするなと今突然思った…。)

 

 

 

 

当時、ヤフオクで手当たり次第に不要品を売り、小銭を稼いでいたという背景もあるにはあるが、それにしても困ることなく生活していたし、貯金もコツコツできていた。

 

友人との付き合いも、「お金がないから」という理由で断った事はない。

 

お金がないと思ったことが無かったからだ。

だって毎月14万円ももらえるんだから、転職の狭間の無職期間に比べたら天国である。

 

だからこそ今振り返って、「思った以上に薄給だった」とちょっとびっくりしたのだ。

 

 

 

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お金の遣いどころに緩急つければ楽しくやれるもんだなと、今振り返っても思うところである。

おやつの時間に丼食ってた私に友人が引いていた可能性はあるが、それを表に出さない良い人たちにも恵まれた。

 

やりくりを考えるのは結構おもしろくて、完全にレジャー感覚だった。

 

だから今、事業主婦である私の小遣い1万円じゃ足りないぜー!とジタバタしてはいるものの、キリキリとはしていない。

次月で何をどう調整しようかなとやる気に満ちている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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