最近我が家の庭に、黄色い蝶がたくさん飛んでいる。

 

 

 

蝶々が飛ぶのは春だけだと思っていた。

 

秋冬に飛んでいるやつは、異常気象のせいで季節を間違って出てきちまったやつだと思っていたのだが、例えば「キタキチョウ」なんかはほぼ一年中飛んでいるらしい。

 

しかも「夏型」と「秋型」がある。夏と秋で模様の出方が違うのだ。

 

息子の虫好きが高じ、擦り切れるほど眺めている我が家の昆虫図鑑だが、「今初めて知りました」という情報がまだまだたくさん載っている。

 

 

 

 

 

庭を飛ぶ黄色い蝶が何蝶かははっきり分からない。

 

そのヨクワカラナイ蝶、どこから来ているのかと思ったら全部うちの庭で産まれたやつだった。

 

庭の木の、至る所にサナギがくっ付いていたのだ。

 

 

 

この写真のうち、

 

 

 

丸で囲ったものは全て、葉っぱではなくサナギである。

順番に羽化していっているらしい。

 

そのすぐ隣にはカマキリもいた。まだ弱々しい、羽化したての蝶を狙っているのかもしれない。

 

これが我が家の庭の、日常の風景である。

 
 

 


 

ところで、NHKに「視点・論点」というちょっと堅苦しい番組がある。

 

様々な社会問題について、有識者が各回一人ずつ招かれ、カメラに向かってひたすら語るだけの10分番組である。

 

 

先日テレビをつけていたら、たまたまこの番組が始まった。

軽く耳に入ってきただけの声に、その後私が自分でびっくりするくらい引き込まれてしまったのが、中村桂子さんのお話しである。

 

中村さんは、東大の理学博士であり、JT生命誌研究館名誉館長であるらしい。

 

 

 

 

この日の「視点・論点」、テーマは戦争と平和についてだった。

 

戦争を経験した中村さんが、番組でそれを語る途中、カントの言葉を引用されていた。

 

 

人々は平和を『戦争と戦争の間』と捉えている

 

 

言われるまで気が付かなかったが間違いない。

私も、平和とは「戦争と戦争の間」にあるものだと捉えている。

戦争と平和は交互にやってきて、戦争下に平和はないし、平和下に戦争はないと考えている。

 

つまり平和とは、戦争がないときにしか存在しない「特別な状態」ということになる。

 

 

 

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これについて中村さんは、考え方を変えてみないかと提言されていた。

 

ご自身は戦争によって、「明かりの灯された部屋でご飯を食べるという日常」を奪われたそうだ。

 

戦争が奪うのは「平和」ではなく、「日常」なのだと仰った。

 

「戦争」の反対は「平和」ではない。

「戦争」の反対は「日常」である。

 

 

日常は「戦争と戦争の間にある特別な何か」ではなくて、戦争中でも平和下でもずっと私たちの周りにあるべきものだ。

 

それを壊すのが戦争である、と。

 

 

 

「平和」という特別な状態を目指すことは理想論だと言われるかも知れない。

しかし、「日常」を守るとなればそこに誰も異議は唱えまい。

 

現実味のない「平和」ではなく、誰もが現実そのものと認める「日常」こそが、戦争の反対にあるものだ。私たちはそれこそを大事にしなければならない。

 

このように、中村さんはお話しされていた。

 

 

 

説得力のある言葉で聞き入ってしまった。

 

日常の丁寧な継続がそのまま、平和という理想論の実現につながるんだなあと。

 

だからこそ私たちは、日々を丁寧に暮らしていかなければならない。日常を大切に生きなければならない。

 

 

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さて、先日私が寄付をした医療系NGOから、寄付金の受領書が届いた。

 

自分で寄付をするようになってから、海外で起きた紛争や災害のニュースを特に気にして見るようになった。

この災害地域に、このNGOはまた今回も人を派遣するんだろうかと気になるからだ。自分が応援している団体の活動を見守りたい。

 

 

私が寄付をしている医療系NGOは、戦争終結を目指して動く団体ではない。

「戦争で奪われた日常の回復」を目指して動く団体である。

 

彼らの言う「平和」の意味が分かった気がした。

 

危険な現地へ赴き被災者の日常を守る、NGOの方達を私は応援している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※中村桂子さんのお話はこちらにも載っています。興味のある方はぜひご覧になってみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

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