夫が出張でしばらく家を留守にしていた。
時候も良いので、息子と二人、休日に朝から電車で出かけることにした。
現地に着くと、街中の広場でお祭りみたいなイベントが開催されていた。
射的とか、ヨーヨー釣りとか、ガチャガチャなんかを無料でできる子ども向けイベントである。
携帯会社か住宅会社の客寄せイベントだろうと思ったが、イベント自体がかなり盛大で、私も息子も顔を見合わせ、思わずその長蛇の列に並んでしまった。
「お母さんはアンケート書くことになると思うから、ゆきん子くんはその間、ヨーヨー釣りでもしといてね〜」
と我が子とも話をつけてあったが、蓋を開ければ今回のアンケート、なんとまさかの、子連れ必須であった。
客寄せイベントの主催が、携帯会社でも住宅会社でもなく、大手学習塾だったからだ。
対話式のアンケートは、「今何年生ですか?」という息子への問いから始まった。
親ではなく、子とスタッフとが直接やりとりをするのだ。
そしていきなりキツい質問がきた。
「勉強は好きですか?」
えっ…息子はなんと答える…?
嫌いと答えたらどうしよう…今まで私があれこれさせたのが裏目に出てたら…
なんて思いが瞬時に頭をよぎった私の隣で、息子は元気よく答えた。
「勉強好き!」
よっしゃあああああああ!!!!
好きだってヨォおおお!!
良かったよおおおおお
スタッフの質問から息子の回答までわずか1、2秒だったが、この初っ端の質問で私はもう、ドおおおおおっっっと滝にでも打たれたかのように疲れてしまった。
しかしその後もまだ続いた。
「国語、算数、英語、それ以外、どれか苦手科目はありますか?」
「学校で分からないことは先生にすぐに聞けていますか?」
客寄せの無料イベントとしては、できる遊びももらえるプレゼントも、これまで遭遇した中でトップクラスに太っ腹な内容だった。
ただしアンケートに答える側としては、今まででトップクラスにキツい内容だった。
こんなところで勉学に対する息子の本心を聞くことになるなんて、心の準備ができてない。
携帯会社どこ使ってますかとか、今のお家賃いくらですかとか、そういうんじゃないんかい…
そんな滑り出しだった、この日のお出かけ。
アンケートが終わりイベント会場を出てからも色々と歩き回り、昼食もとり、帰宅したのは16時。
だいぶ疲れた。お察しいただけるかと思う。
帰ってすぐに私がリビングの椅子に腰掛けようとしたら、一切座らないままの息子が言った。
「4時かぁ…公園行けるな。ちょっと行ってくる」
おいおいおいおい
まじか!?
疲れてないのか?
お友達を誘い、公園でサッカーをすると言う。
今から?
信じられない。
子供の体力はアスリート並みだと聞いたことがあるが、あれはおそらく正しい。有り余る体力を発散させる機会が必ず要る。
日頃これだけ遊びまくっているからこそ、息子は勉強を好きでいられるという可能性もなきにしもあらず。
そういう意味でも私はどこまでもフォローすべしと、帰宅後間も無く、2km先の、初めて向かう運動公園まで一気に自転車を走らせた…。
※プレジデントだったか何かの雑誌で、おすすめの教育本として載ってたのがこちら。読んでみたいと思ってます。
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