現在小学3年生の息子が、一年生だった頃のこと。

 

学校でお友達と遊ぶ約束をして帰るのだが、約束通りに来る子と来ない子とが両極端だった。

 

来る子は毎回必ずくるし、来ない子は毎回必ず来ない。(と言っても言い過ぎではない程度に、ちゃんと来ないことが多い。)

 

 

約束通りに来ない場合、一番多いのは「今日習い事があるの忘れてた」というパターンだった。幼い子はまだちゃんとスケジュール管理できないから、度々のうっかりがあっても当然だ。

 

問題は、「放課後の予定はないけど、宿題が終わらないから約束通りに行けない」というパターンだった。

 

 

例えば我が家や、必ず約束通りに来る子の場合、「子供自身も本当は遊ぶ前に宿題を終わらせたいと思っているけど、時間になっても終わらなかったらとりあえず集合場所へ行く」。

 

親も親で、「宿題済ませてから行きなさい」ではなく、「宿題にかかる時間を考慮せずに約束時間を決めたアンタが悪いんやから、終わってなくても集合場所に行きなさい」と促す。

 

家として、宿題よりも約束を優先させる。

 

 

 

逆に約束通りに来ない子は、「宿題終わるまで行っちゃダメって親が言うから」時間通りに来ない、というパターンが非常に多かった。

 

あまりに来ないから迎えに行ったら、中から保護者の声が聞こえるのだ。

「宿題終わってないでしょ!終わるまで行っちゃダメ!」

 

それに対して、「俺だって宿題終われなかったけど、時間守って出てきたんだぞ!」と主張していた子を見たことがある。

 

 

 

 

 

 

「宿題よりも約束を優先」する子たちはその後、約束の仕方自体を工夫するようになった。

 

「公園に、4時集合ね!」だけだったものに、「今日は宿題が多くて時間に遅れるかもしれないから、終わった人から順に遊び始めようね!」と、そんな取り決めが追加されることになった。

 

宿題の量はクラスごとに違う。宿題にかかる時間も人それぞれに違う。

「全員が宿題終わらせてから遊ぶ」ために、約束の仕方に幅を持たせた形だ。

 

 

そして、「宿題を優先する結果、一切約束通りに来ない子」についてはその後、遊びに誘われることがなくなったらしい。どうせあいつ来ないから、ということである。

 

 

これは保護者の方針にもよるので、どちらが良いとか悪いとかいうものでもないんだろうとは思っている。

何がなんでも先に宿題させないと、遊んだ後では宿題をしない子もいるだろう。親の苦労はある。

 

あるのだが、子どもも子どもなりに「約束」というものを大事にしていることは多い。

 

 

 

 

 

先日、夕方の散歩で公園へ立ち寄ったところ、一人ぼっちで1時間も友人を待っているという一年生の子に出くわした。

 

こういうことが、息子の時にもあったなあと思い出した。

待たせる側の顔ぶれは決まっていたし、待たされる側の顔ぶれも決まっていた。

 

待たされる側は、待たされたからと相手を責め立てるわけじゃない。ただ静かに、だんだんと、来ない子とは距離を置くのだ。

 

 

信頼関係というのは大人だけにあるものじゃなくて、幼い子どもたちの中にもちゃんとある。

約束を守る子、守らない子、親に止められて出て来れない子、子どもは全部、よく見ている。

 

 

「とても終わりそうにない宿題を前に、お友達と遊ぶ約束をしてきた我が子に対して、親はどんな声かけをすべきなんだろう」

 

子供が小学校に上がり私が最初に悩んだのは、ここだった。勉強は本人だけのことだが、約束というのは相手がいる。

 

色々と試行錯誤の結果今に至る。

 

 

何がなんでも宿題を先に終わらせるのか。

時間になったら宿題が途中でも出かけるのか。

 

どちらが良い悪いは別にして、こういう小さなところでその人間の価値観というのは築かれていくんだろうから、子の人格が育っていく過程をどのように見守るかと、親としての責任感を強く感じていた2年前のことである。

 

宿題か約束かの二択を通り越して、「私は息子にどんな人間になって欲しいのか」と、母として自問自答する日々だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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