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「お母さんすごい…」
と、息子に尊敬された話があるので被露させてほしい。
ことの発端は、息子の折り紙だった。「指にかぶせて爪みたいにできる何か」を彼が一生懸命折っていた。
すべて違う色で作りたかったらしいが、色の在庫が足りなかった。
一定の硬さを保つためにも15cm角の折り紙で作る必要があるらしい。
しかし欲しい色紙で家に残っているのは、しわくちゃのものか、他の工作に使われて一部が切り取られているものかしか無かった。
新しい折り紙を買いに行くには夜遅過ぎたが、息子の作りたい欲求はなんとか解消させてやりたい。
そこで私がひとつアドバイスをした。
「息子くん、切られた折り紙でも、新品の折り紙で作ったみたいに仕上げる方法があるよ」
大人なら大体想像が付くと思う。
折紙が完成した際に、切られて歪になっている箇所が内側に来るよう、逆算して折っていくのだ。
そんなのムリでしょ〜?という顔をする息子に、折る工程を見せた。
「切られた箇所は全部、内側に入るよ。」
それを見ていた息子はから最後に出てきたセリフが、冒頭の「お母さんすごい…」である。
「まっさらの折り紙じゃなくても、工夫して折ったらまっさらみたいに仕上がるから、材料が足りなくて困ったときは試してみると良いよ。」
私はかなりのポンコツ母として息子から認識されているが、工作ならイケる。得意だ。尊敬してもらえる。
我が子に対して唯一ドヤれるジャンルであるし、同じ目標に向けて動く息子との仲間意識みたいなものが、折り紙中には生まれる気がしている。
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