近所に放置子がいる。
 
時々このブログに登場する話題のため、ああ、あの子のことか、と思う方もあるかもしれないが、登場する放置子は、実はそれぞれ、毎回違う子である。
 
狭い範囲にそんなに大勢放置子がいるのかとも、思われるかもしれない。
しかしこれが、何人もいる。
放置子が放置子を呼ぶのだ。
 
と、言い方が悪すぎるのは承知だがあえて書いた。
 
 
居場所がない子は、同じく居場所のない子と自然に出会い、行動を共にするようになる。
 
そしてある特定の場所が彼らの溜まり場となり、その近所に住む者は庭に置いていた物が壊されたり、丹精込めて育てた花が勝手に摘まれたりして途方に暮れるのである。
 
 
先日も、他人の敷地に入り込んで遊び回っている子たちを発見した。
しかもそこにあった園芸用具を勝手に動かし、収納ケースは破壊されていた。
 
とんでもない…本当にとんでもない…
我が家がやられたわけでもないのにとんでもなく腹が立ってしまい、私は思わず声を荒げた。
 
「そこ、人の家だよ!勝手に入ったらダメじゃん!」
 
 
私の言うことを彼らは聞かない。何を言ってもそこから動かない。しまいにはこちらへ文句を言ってくる。
 
「うるせえ!黙れ!○○○!(放送自粛)」
 
 
私が言えば言うほど、あちらもヒートアップする。埒が開かない。
そして侵入されていた家の家主は不在。
詰んだ…
 
その日の私は諦めてその場を去った。
 
 
 
そして数日後、またその家に、同じ彼らが侵入していた。今度は花壇の花が荒らされている。
 
しかし前回と違ったのは、それを見た私に気持ちの余裕があったことである。
 
様子を見たのが二度目だったためか、最初ほどの衝撃がなく、やれやれまたかと落ち着いた気持ちで彼らへ近づき、静かに声をかけた。
 
「近くに公園無いもんなあ。遊べるところがここしか無いから、君らも困るわなあ…」
 
 
そうしたら、前回は私が何を言っても構わず遊んでいた彼らが、私のセリフを聞いた途端に遊ぶのをやめた。
そしてこちらへ近づいできた。
 
「この辺にボール遊びできるとこがないねん。ここしか無いねん」
 
「分かるわ、ほんまそうやんな。でもここの家の人が帰ってきたら君たちめちゃくちゃ怒られてしまうで。警察も呼ばれるかもしれん。」
 
「ほならどうしたらええん」
 
 
風向きが変わった。
 
 
「ここからちょっと遠いけど、駅の近くの公園、行ったことある?あそこならボール遊びOKや。野球もできるで。」
 
「そんなとこあるのん知らんかった。今から行ってみる」
 
「ぜひ、行っておいで。みんな気をつけてね」
 
 
この日、私は一度も声を荒げることなく、彼らを他人宅から連れ出すことに成功してしまった…!
 
 

 

 

 

 

効果はその日に限らなかった。彼らはその後も、該当のお宅へ侵入しなくなった。
そして私と顔を合わすと、挨拶を交わすまでになった。
 
とんでもなく平和になったので、庭を荒らされていた家主もびっくりしている。
私もなんだか、彼らのことを可愛く感じるようになった。助けてあげたいと思うようになった。
 
 

大人が声を荒げるべき時はあるわけだが、荒げたから聞いてくれるとは限らない。

他人の子を見るときに、真正面からぶつける正論も通じない。

 

ただし、「私は君らの味方やで」というその場の嘘は時々通じる。

私だって嘘でも良いから、「君の味方だ」と夫に言われたいのと同じ。

 

だから最初は嘘であっても、味方だよ、と相手に言ってみるといい。

 

そうして心を許し許されたつもりでいるうちに、嘘だった気持ちもいつの間にか、互いの本当になったりする。

 

 

 

 

 

 

 

 

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