家計を守りたいとき、まず最初に思い浮かべるのは「節約」である。節約すれば家計は守られる。
逆に家計を危険に晒すと考えられるのが、お金を多量に使う行為である。
節約に対してこれらは、「散財」とか「浪費」とかいうワードで語られる。
消費行動に励むという意味では同じに見えるこの2つの言葉だが、散財と浪費の違いというものを、きちんと意識したことはあるだろうか。
浪費とは、お金や時間を「無駄に」費やすことを言う。結果は常に、悪である。
対して散財とは、金銭を「やたらに」、必要以上に費やすことを言う。結果は悪とは限らない。
不必要だが無駄ではない、むしろ役に立つというものが、世の中には数多く存在するからである。
駐車場の心配をせずにドアツードアで移動できるタクシー。
私の代わりに掃除をしてくれるルンバのサブスク。
疲弊した心身を癒やしてくれるスタバのラテ。
仕事へのやる気をみなぎらせてくれるシャネルのピアス。
誰かがこれらを散財と呼ぶことはあったとしても、どれも決して、浪費ではない。
さて、雑誌『スペンド！〜稼いで遣って、増やして遣って〜』とは、編集長ペドロ氏によりこのたび創刊された、散財家による散財家のための情報誌である。
己の財を散らす代わりに、大切な別の何かを手に入れようとする、強く前向きな女性たちへ向けて発信される新しいメディアである。
花が散った後には艷やかな実がなるように、財が散った後にもまたそこから、美しい芽吹きがある。
そのことを深く知る散財家は、持てる財を潔く散らすことでもって、万人が浪費しがちな時間や労力といったものを逆に、見事に節約してみせる。
そんな彼女らの生き様を、「節約家」を自称する私のような者こそ、雑誌『スペンド！』を通じて必ず見届けねばならないのであるー。
2023年1月
『スペンド！』創刊に寄せて
ゆきんこ
※『スペンド！』とは実在しない架空の雑誌です。寄稿のおふざけに付き合わせてしまい申し訳ありません。
※雑誌『スペンド』の実際の創刊はありませんが、散財に興味のある層の実態調査をペドロ氏がブログ上で行われておりますので、気になる方は是非ご覧ください。
（素晴らしい狂気を感じる企画から目が離せません。）
※注意点
ペドロ氏が途中で疲れたら、進捗状況に関わらず企画は終了します。
何が何でも最後まで集計して結果を見せろとお考えの方の参加はどうかご遠慮ください…
では、どうぞ。
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〜それにしても私たちは一体何をしているのだろう〜
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