4周年ありがとう企画 真帆さんリク謙也SS | 肝っ玉かあちゃんのひとり言

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妄想の世界に逝っちゃってるヤツの戯言

「ほら。」




伸ばした俺の手を、嬉しそうな笑顔で取る。

歩きだすと同時に、今日あった事を楽しそうに話しだす。

話してる内容はぶっちゃけどうでもええような話ばっかりやけど、俺の顔は自然に笑顔になる。


学校から真帆の家へ帰るまでの時間は、俺にとってはなにより幸せな時間で、ドキドキする時間や。




「真帆」

「ん?」




別れ際、ちょっと切な目な声で名前を呼ぶ、

真っ直ぐと・・・・ちょっとだけ熱っぽく見つめながら。




「謙也?」




ゆっくりと距離を詰め、顔を近づける。

クリッとした真帆の大きな瞳に俺の顔が映りこむ。

真帆の両肩に手を置き、キュッと唇を結びながら瞼を閉じた―――――





「普通さ。ここまできたらわかるやろ?」

「まぁな・・・。」

「そやのにアイツ『どうしたん?眠いん?』とか言いよるねんで?ありえへん。」

「ほんまはわかっとったけど、謙也さんとキスすんのが嫌ではぐらかしたんちゃいますん?」

「あほか!真帆は俺にベタ惚れや!」

「うわ・・・・。自意識過剰男とかイタ過ぎやし。」





真帆と付き合いだしてもうすぐ2ヶ月。

そろそろキスがしたい。

いや、ずっとキスはしたかったけど、付き合ってすぐっていうのもがっついてる気がして、今日まで耐えてきたわけや。

そやけどもう2ヶ月やし、俺もそろそろ我慢の限界。

それとなくキスするタイミングを伺ってるんやけど、どうにもうまくいかへん。


俺が悪いんか?

けど普通は、真剣な目で見つめながら顔近づけたらキスするってわかるやろ。

真帆が鈍感すぎんねん。

そんなとこも可愛えなと思って好きになったわけやけど、キスだけでこんなに悩まされるとこの先がもっと不安になる。




「なぁ白石。どないしたらええと思う?」

「なんで俺に聞くねん。」

「お前のバイブルで調べてくれや。」

「そんなもんないわ。」




あぁ・・・キスしたい。

欲求不満でおかしくなりそうや。




「直球でキスさせてって言えばええんちゃいますん?」

「それが言えたら苦労せんわ。」

「ほんまヘタレやし。」

「誰がヘタレじゃ!俺はロマンチストなんや!」

「俺耳おかしなったみたいっすわ。耳鼻科行くんで帰らしてもらいます。」

「おう。気ぃつけて帰れや。」

「おい!誰かツッコめや!!」




あかん。こいつ等に相談したんが間違いやった。

けど・・・・。

辺りを見渡してみるも、他に相談できそうなヤツもおらんし・・・・・。


項垂れるように机の上に倒れこむ。

その俺の頭上で、白石がじゃーないな・・・とでも言うような溜息をついた。




「悩める謙也に、俺のとっておきの秘技を一つ教えたるわ。」

「マジで!?」

「そのかわり、来週1週間の昼飯は謙也の奢りな。」

「・・・・せこいな白石。」




成功したら奢るという条件付で、俺は白石のとっておきの秘技を教わった。





いつものように、伸ばした俺の手を嬉しそうな笑顔で取り、歩きだすと同時に今日あった事を楽しそうに話しだす真帆。

その会話がふと途切れた時、俺はさり気なさを装って話を切りだした。




「なぁ、今度の休み遊園地行けへんか?」

「遊園地?」

「真帆と乗りたいアトラクションがあんねん・・・・・・」

「なになに?どんなアトラクション?」




きっとジェットコ-スターとかの絶叫系を想像してることやろう。

真帆も好きやっていうとったしな。


ワクワクした顔でその先の言葉を待つ真帆に、緊張が高まる。

俺は1度咳払いしてから、少しだけ繋いだ出に力を込めた。




「観覧車に・・・・乗りたいねん。」

「え?観覧車?」

「あ・・・・ほら、ようあるやんけ。その・・・・ジンクスみたいなん。」

「ジンクス?・・・・・・・・・あぁ。・・・・・え!?」




鈍感な真帆やけど、こういう事はやっぱ友達同士でも話してるんやろう。

すぐに思いあたったようで、サッと顔を赤く色付かせた。


俺の言いたい事を理解したんか、真帆のおしゃべりがピタリと止まる。

告白した時のような、初めて手を繋いだ時のような、くすずったい空気が辺りを包んだ。




「その・・・・・お前さえ嫌やなかったら行かへんか?」

「そんな誘い方・・・・・ズルイわ謙也。」




そりゃそうや。

『行く=キスOK』ってことになるわけやからな。

反対に断られたらキスも拒まれたってことになる。


期待半分不安半分で真帆の返事を待つ。

しばしの沈黙後、空耳かと思うほど小さな声で返事が返ってきた。




「そんなん・・・・・ええに決まってるし。」




顔を真っ赤にして恥ずかしそうにモジモジとする真帆が可愛くて、「それってどっちにたいする返事?」と思わず意地悪しそうになる。

けど、そのせいで返事を撤回されたら困るから、ニヤケそうな顔と共に必死に堪えた。



一石二鳥

(誘いの返事もキスの返事も同時に聞ける。ほんでデートもできるしキスもできる。さすが白石!!)

(せやろ。俺って絶頂っ!!)

(あほな先輩ばっかりで頭痛いっすわ)


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こんなんなりましたけど・・・・・。エヘッ。←

ご希望通りになってますでしょうか?

謙也を弄くり倒すのが大好きなので、カッコいい謙也をお求めでしたらスミマセン。


これ書いてて思ったんですけど、私観覧車のてっぺんでチューとかしたことないや。

わお。王道なのに!!


真帆さんリク頂きありがとうございました!