4周年ありがとう企画 璃桜さんリク跡部SS | 肝っ玉かあちゃんのひとり言

肝っ玉かあちゃんのひとり言

妄想の世界に逝っちゃってるヤツの戯言


「はぁ・・・はぁ・・・・」



熱く荒い息を繰り返す。

汗で額に張りついた髪を景吾君の指が優しく払いのけてくれる。

冷たい指先が気持ちよくてスーッと目を閉じると、瞼に柔らかい感触が触れた。

指と同じ様に,、優しさに溢れた口付け。

ゆっくりと瞼を開けば、なぜか困ったような顔をした景吾君が私を見つめていた。




「どうしたの?」

「ヤバイな・・・・。」

「え?」




もしかして私、すごくひどい顔してるとか?

自分じゃわからなくて、慌てて顔を逸らす。

すると顔を背けたせいで露わになった首筋に、さっき瞼に感じた感触と同じ物が触れて、私はびくりと身体を跳ねさせた。




「な、なにしてっ・・・・!?」

「不謹慎だとは思うが、熱でうなされてる姿ってのはそそられるものがあるな。」

「ば、馬鹿じゃないの・・・?」

「だかそうやって荒い息を吐きだす唇や汗ばんだ肌は・・・・男を煽るには十分だ。」




男を煽るには十分なんて言われても、私はそんなつもりは毛頭ない。


風邪を引いて熱を出した私のお見舞いに来てくれた景吾君。

苦しくて辛い事に変わりはないけど、景吾君の顔を見るだけで少し元気になったような気がした。

風邪をうつしちゃいけないと思いながらも、もう少し傍にいて欲しくて、「手を握って欲しい」とお願いした。

景吾君は私が眠るまで握っていてくれると約束しながら、私の手を包むように握ってくれた。


今日の景吾君は優しいな・・・・・


そう思っていたのに。

やっぱり景吾君は景吾君だ。




「病気で苦しんでる彼女を前に、そんなことよく言えるね。」

「まだ襲わないだけありがたいと思え。」




なにがありがたいと思えなのよ!?

本当にどこまでも俺様なんだから・・・。


膨らませた頬に景吾君の指が刺さる。

プーッと息が抜けた唇にサッと唇が重なった。




「ちょ、風邪うつっちゃう!」

「これくらいでうつりゃしねーよ。」

「でも・・・・。」

「少し黙れ。」

「んっ・・・・・」




いつものような、思考を奪われてしまうほどの激しいキスではなく、私を気遣うような優しいキス。

だけど唇を重ねる回数を増すごとに、濃厚なキスへと変わっていく。

頭がボーっとして、息が荒くなる。

髪を撫でていた手が頬を滑り鎖骨を撫でる。

そのまま胸元まで降りてきて、私はハッとしたように景吾君の身体を押し退けた。




「ちょっと!」

「チッ。」




今舌打ちしたよね!?

このまま流されろよコイツ。みたいな舌打ちだったよね?

信じられない。

この人なにしにきたの?


冷たい視線で睨みつければ、前髪をかきあげながら溜息をつく景吾君。

溜息をつきたいのは私の方だよ・・・。

呆れながら心でこっそり溜息をついていると、ムニッと鼻を抓られた。




「ふがっ」

「早く元気になりやがれ。俺の我慢が効くうちに。」

「・・・・そうするよ。」




お母さんに頼んで栄養のある食事を作ってもらって、薬もちゃんと飲もう。

そして早く風邪を治そう。


どこが我慢してるのか、また顔を近づけてくる景吾君の顔を押し返しながら、私は強くそう思ったのだった。



良薬は口に苦し

(景吾君のおかげで早く風邪が治りそうだよ)

(ハッ。当たり前だ)

(・・・・・・・・嫌味だって気づいてないし)


*******************************************


甘やかされたいってリクやったのに全然甘やかされてないし。ww

おかしいな・・・。出だしはよかったはずなのに。←

璃桜さんスミマセン。


また凝りずに企画に参加いただけたら嬉しいです。

ありがとうございました。