氷羅さんとのコラボ作品です。
先に氷羅さんの小説をお読み頂いた方が、よりお楽しみいただけると思います。
氷羅さんの小説はこちら
みんなが用意してくれたのだろう誕生日会のセットは、手作り感アリアリだけど、一生懸命準備してくれたのがわかる。
雅治の為に頑張ってくれたその気持ちが嬉しくて、そんなに仲間に思われている雅治が誇らしくて、自然と笑みが浮かんだ。
一人一人の名前が書かれた紙コップにジュースを注ぎ、幸村の音頭で乾杯をする。
パーティーが始まればもうなんのパーティーなのかわからなくなったけど、久しぶりにみんなで騒ぐこの空間が凄く楽しい。
雅治とも無事仲直りができたおかげで、私の笑顔が途切れることはない。
雅治の表情も、とても穏やかで楽しそう。
そっと視線を落とした机の下。
そこにはしっかりと繋がれた私と雅治の手。
この部屋に入ってからずっと繋がれたままの手は、1度も離される事がない。
食事はし難いし動き難いけど、手を包む温もりはとこまでも優しくて私を安心させてくれる。
主役である雅治には、代わる代わる誰かが話し掛けてくるからなかなか会話はできないけど、
絡める指が、その体温が、雅治の気持ちを伝えてくれるようで、まるで手と手で会話してるみたいだ。
お皿に盛られた軽食やお菓子がなくなり、そろそろお開きモードかな?と思いだした頃、
ブン太が赤い苺がたっぷり乗ったケーキを雅治の前にドンと置いた。
「おい、雪。これ俺が作ったんだぜ!」
「へぇ。すごいね。」
「だろぃ?もっと褒めろ!」
「すごいすごい。」
綺麗にデコレーションされたケーキの真ん中には、『たんじょうびおめでとう』と書かれたチョコレート。
デコレーションは完璧なのに、チョコに書かれた文字はかなり歪で、そのアンバランスさがブン太らしくて笑ってしまう。
「赤也。電気消せ。」
「了解ッス!」
均等な間隔で立てられたロウソクに火を灯す。
パチンという音と共に電気が消え、ロウソクのオレンジ色がじわりと滲んだ。
ゆらゆらと揺れる明かりの中、ハッピーバースデーの歌が流れる。
淡いオレンジの灯りに照らされた雅治の表情は、照れ隠しなのか無愛想顔。
だけどここにいる誰もが、それが照れ隠しだとわかっている事だろう。
歌が終わり、雅治が一気にロウソクを吹き消した。
辺りが真っ暗になり、ワッと拍手が湧く。
その賑わいの中で、私は繋がれた手をグッと引き寄せ、吐息の漏れる雅治の唇にそっと口付けた。
さっきの逆で、パチンという音と共に今度は電気が付く。
室内に明るさが戻った瞬間、部屋の中がシーンと静まった。
「仁王。どうかしたのか?」
「お前、顔真っ赤だぞ?」
「な、なんでもなか・・・・。」
手で口元を覆いながら顔を背ける雅治の顔は、誰が見てもわかるほどに真っ赤に染まっている。
「そんなに嬉しかったのですか?」「なんだよ。こっちまで照れるだろ。」なんて驚くみんな。
その中で、私は1人こっそりとほくそ笑んだ。
ナイショのキス
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氷羅さんの書かれた仁王がとても可愛かったので、そのまま可愛い仁王を書いてみました。
不意打ちキスに照れる仁王はさぞかし可愛いことでしょうね。
赤い顔をしている理由が、みんなに歌を歌ってもらったからだと勘違いしているR陣も可愛いです。ww
ユッキーと柳辺りは、赤面の理由をわかってそうですけどね。
氷羅さんコラボしていただきありがとうございました!!