~ 大阪の街でHAPPY BIRTHDAY ~
電車のホームに滑るように入ってきた新幹線。
聞いていた車両の前で目的の人物を探していると、
相変わらず派手な銀髪を揺らしながら飄々と現れた雅治。
ホームに降り立ち私の姿を目にすると、その目を優しく細めながら
「逢いたかった」と抱きしめてくれた。
年末と言う事もあってホームには人で溢れまくっていて、
その中で抱擁しあう私達はかなり目立っているのだろう。
あちこちから突き刺さる視線が痛い。
いつもならこんな人前でなんて恥かしくって、跳ね除けている所だけど、
約4日ぶりに逢えた喜びと、神奈川からわざわざ来てくれた嬉しさで、
私は雅治の温もりを確かめるように、胸の中へ顔を埋めた。
「私も・・・逢いたかった。」
「なら早速行くとするか?」
「行くって?どこに?」
「きまっとるじゃろ?愛し合える場所ナリ。」
それは何を指しているのかなんて聞かなくともわかる。
会って早々ですか?
大阪到着後、初っ端にする事がソレ!?
そう思いながらも、私も雅治に愛されたくて
差し出された手に指をからめながら小さく「うん」と頷いた。
私も雅治も言うほど持ち合わせもなかったし、そんなに時間は取れなかったけど、
決められた時間内でこれでもかと言うくらい啼かされまくった。
「もうムリ」と何度言ったかわからない。
その度に「まだ足りん」と、足腰が立たなくなるほどに、声が枯れてしまうほどに
雅治の愛を全身に注ぎ込まれた。
身なりを整え外に出た時はもうフラフラで、立っているのがやっと。
しゃべる気力もなくて、雅治に支えられるように大阪の街を歩いた。
「タコヤキ食いたい。」
「食えば?」
「雪は食わんのか?」
「今食べたら吐く・・・・。」
「ククッ。俺の愛で腹いっぱいって事じゃな。」
嬉しそうに笑う雅治に、このドS め!!と睨みあげてみたけれど
ますます嬉しそうな顔をするだけで何の効果もない。
なんだか悔しくって、「雅治は私の愛でおなかいっぱいじゃないの?」と、意地悪く聞いてみた。
「いっぱいにしてくれるんか?」
「・・・・それはさっきのじゃ足らんかったって事?」
「そういうことじゃな。」
えー!?まじですか?
どんだけ底なしやねん・・・・。
一般的にこれは普通なのか!?
いやいや。世の男性みんながこんなんやったら大変やろ!?
なんだか大当たりを引いたのか外れを引いたのかわからんままに、
「あぁ・・・そうですか。」と、呆れ顔を浮かべた。
「雪、あそこにジェラート売っとるぜよ?」
「え?マジで?食う!!」
「腹いっぱいやなかったんか?」
「ん~別腹?」
「雪もまだ俺の愛が足らんかったって事じゃな。」
え~!?そういう事になんの!?
もうムリですから!!マジで!!
かなり悲愴な顔をしていたのかもしれない。
「ククッ。そんな顔せんでも、もう今日はせんよ。」と頭を撫でられた。
今日は・・・・・ね。
「やけどのぅ・・・・」
「ん?」
「俺が雪の愛で腹が脹れる事は一生ないと思っときんしゃい。」
「え~?なんで?」
「いくら食べても足りん。満足なんてせん。一生かけてもムリじゃろうな。」
一瞬、私の雅治への愛情が足りないのだと言われてるのかと思ったが、
すぐにその意味を理解して、私は自然と口端が上がっていくのを止められなかった。
― だから一生傍でその愛を伝えて欲しい ―
きっとその後に続く言葉はこういう事だろう。
なんとも遠まわしなその言葉に、なんとなく雅治らしさを感じて、
「なら私も別腹を満足させるのは一生ムリやろな!」と笑って見せた。
「それは俺の愛の話か?それともアイスの話か?」
「さぁ?どっちやろ?」
ムッとした顔をする雅治が可愛くて、声をあげて笑いってしまう。
雅治とアイス。
どっちも私にとって、大切な人で、無くてはならない物だけと、
雅治の愛がなくなっても、アイスはその隙間を埋めてはくれない。
でもアイスが無くなったとしたら、その満たされない空間を雅治の愛が満たしてくれるはず。
アイスにヤキモチを妬く様に、いまだに拗ねた顔をしている雅治に
「いつまでも拗ねとったらほって行くで!」と、手を引き歩き出した。
「ほらタコヤキ食べんねやろ?」
「それよりも違うものが食べたくなった。」
「え?ジェラート?」
「もっと甘いモノ。」
「・・・・・今日はもうせんって言うたよな?」
「さぁ?覚えとらんのぅ・・・。」
来た道を戻りだした雅治に「やっぱり私もうおなかいっぱい!!」と言ってみたけれど
「遠慮せんでもよか。」と、にこやかな微笑が返ってきた。
・・・・・怖っ!!
遠ざかるジェラートとタコヤキの店を見送りながら
「お手柔らかにお願いします。」とだけ言い残し、諦めるようにその身を雅治に任せた。
繰り返されるキスにそっと瞳を閉じれば、甘く溶ける様な囁きが降ってきた―――
俺の愛も・・・・・アイスも、
雪が欲する限り与え続けてやるぜよ。
やから俺の傍に、ずっといんしゃい・・・・・・・
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え?まだまだ雪の誕生祭は続いとります(笑)
タイトルははっきり言って意味なしですね!
全然誕生日祝ってないし。ww
後もう1本書く予定です。
次はほら、あれですよあれ。(なんだよ!?)
これで気付いた人がいたらすごい!!ww
昨日旦那に初めて小説を読まれました。
無言で去っていく旦那・・・・。
ヲイ!!なんか言うてよ!!(笑)
昨晩からアイス食べ過ぎて若干胸焼け中。
でもアイスケーキが夕方にはやって来る♪