「人は愛するに足り、真心は信ずるに足る
~アフガンとの約束」
中村哲 澤地久枝 を読みました。
今も、アフガニスタンで
ひたすら「命の水路」を作っている中村先生。
澤地さんとの対談で、
その半生とペシャワール会の活動が語られ、
アフガンの本当の姿が浮かび上がってきます。
そして、アルカイダとタリバンの違いも、アメリカとのことも
そして日本がどうしてきたのかも、よくわかります。
水こそが命を救う。中村先生が預かっているのは60万人の命。
「世界で最長の手仕事、手作りの水路」で多くの命を救う医師が
若い世代に残すメッセージです。
初めは、青白い、ひょろひょろっとしたのが、発展途上国における
貧困の問題は・・とか言ってるけれども、それから一ヶ月もすると
「先生、あそこの岩盤は固いけど、発破作業でやりますか。
ツルハシで起こしますか」とか、話が非常に具体的になってきます。
「先生、水が出ました」というときに、やっぱり地に足のついた
よろこびと言いますか、そういうことがわかってくるんです。
地に足のついたよろこび・・・。
私たちは本当の意味での「労働」を、何一つしていないのかもしれません。
「国際協力」と安易に語るよりも、目を向けるべきことがもっと他にあることに
改めて気付かされた一冊です。
もし現地活動に何かの意義を見出すとすれば、
確実に人間の実体に肉迫する何ものかであり、
単なる国際協力ではなく、私たち自身の将来に益するところが
あると思っている。
人として最後まで守るべきものは何か、尊ぶべきものは何か、
示唆するところを汲んでいただければ幸いである
(あとがきより)