5月31日、「世界禁煙デー」の今日、
厚生労働省主催の記念シンポジウムに出席してきました。
素晴らしい講演ばかりで、充実した4時間、あっという間でした。
舛添大臣のメッセージ、日本のたばこ対策の現状に続いて、
元Jリーガーで、スポーツジャーナリストとして活躍中の
中西哲生さんが、スポーツ、サッカーを通じて
感じたことを語ってくださいました。
印象深いお話が数多くありましたが、
アスリートの中でも、御自身が現役だった頃に比べ
喫煙率が下がってきているようです。
理由としては、競技自体がレベルアップし、
選手たちの中でも、持てる力を最大限に発揮するために
フィールド外でも、よりストイックな姿勢で
自己管理を徹底していくという認識が高まっていること。
実際に海外で結果を出しているトップ・オブ・トップの姿も
模範として牽引役になっているようです。
より高みを目指すには、自らを律し、
マイナス部分(もちろん喫煙も含まれる)をすべて排除し、
むしろマイナスをプラスにコントロールして
変えていく力が求められる・・・。
中西さんのお話の後、国立がんセンター研究所の
望月友美子さんが、同じくトップアスリートである
ハンマー投げの室伏広治選手のビデオレターを公開されましたが、
くしくも、同じようなメッセージを発信されていました。
少しでも、遠く、高く、長く、早く・・・
そうやって記録を出していく事に全く逆行していくのが喫煙であると。
とかく、健康への害という面が強調されがちなタバコですが、
このように、トップアスリートたちの間で、
より高みを目指すという視点で禁煙が広がっている事は
本当に素晴らしい事です。
その姿はきっと多くの若者たちに大きな影響を与えることでしょう。
中西さんのお話の中に
「強制はかえって態度の硬化を招きかねない」と
いう趣旨の発言がありました。
これは、禁煙支援の現場でも当てはまるように思います。
サッカーの親子教室などで、親が子供に挨拶を促したり、
そんな模範となるべき姿を示しているときには、
自然と親がタバコを吸うシーンはまず見られないそうです。
誰もが、より高みを目指したり、
自分が模範とならないといけないときには
自分を律し正しく生きようとするもの。
禁煙も「人からやめさせられるもの」ではなく、
競技記録の向上であれ、健康であれ、子どもへの見本であれ
何かしら、自分の中に湧き上がった欲求に突き動かされて
自然と成っていくことが、一番の理想の形のような気がしています。
望月さん、そして神奈川県知事の松沢さんの講演も
力強く、熱意に溢れ、本当に心を動かされました。
スモークフリー(煙から開放されて自由になる)の
ムーブメントを、地方から国へ・・。
私もごく微力ながら、自分にできることを少しずつ
続けていきたいと思います。