ぬけるような青空、初夏のような陽射しです。
昨日は、山ツツジの美しいトンネルを通って、
雨上がりできらめく深緑のなか、
すがすがしい山歩きをしてきました。
草も木も虫たちも、本当に生き生きとしています。
この数かぎりない生き物の中のどの一つとして、
自分が自分として生かされていることを
幸せに思わぬものはいません。
みんな幸せに思い、誇りに思い、嬉嬉として
他者とは違う自分の個性を発揮しあって生きています。
まど みちお 「いっぱいやさいさん」 あどがきより
今年で10周年を迎える銀座の教文館ナルニア国。記念企画の
「ぞうさんの詩人 まどさん100歳展」に
先日、娘といってきました。(5月6日まで)
http://www.kyobunkwan.co.jp/Narunia/event2009nennnaruniakoku10shuunennkinennkikaku.htm
まどさんの絵本や詩の読み聞かせを聞いたり、
店員さんの可愛いパペット遊びを楽しんだ後、
みんなでまどさんの童謡を合唱。
原画や寄せられたたくさんのお祝いメッセージを眺めた後、
会場におかれた、まどさんあての「やぎさん郵便ポスト」に
二人で一緒にお手紙を書いて投函。
「まどさん、よんでくれたかな~」
今年の11月で100歳になられる まどみちおさん。
ぞうさん、やぎさんゆうびん、ふしぎなポケットなど
おなじみの童謡はもちろん、詩や絵本もたくさん書かれています。
生きること、生かされていることへの喜び、感謝の気持ちにあふれ、
優しく暖かなまなざしながら、人間の本質をつく作品が多いです。
ご自身の半生を語られたエッセイ
「すべての時間を花束にして~まどさんが語るまどさん」のなかで
「生きもの権」人間だけでなく、動物の尊厳、植物の幸福、
さらに、無生物をも含めた「存在権」について語り、
すべてのいのちは他のいのちを犠牲にしなくては
生きられないことが真理なのに、
人間は自分が自然のなかに生かされていることをつい忘れてしまう、
と書かれていました。
バクテリアも、草も木も虫も、人も地球も宇宙も、
お互いに支え、支えられながら、生き、生かされている。
そんな思想が、いつもまどさんの根底にはあるのでしょう。
「皆さんは日本の子どもである前に、地球の、
さらに宇宙の子どもです。
私はあらゆるものは、自然の力や神の意思で
生かされていることを感じながら、
これからも詩を書いていきます」 と中高生に語ったそうです。
にんじんさんは、
にんじんさんなのが うれしいのね
おふろからあがったばかりのように。
いつも にこにこいい おかおで。 「いっぱいやさいさん」より
わたしが、わたしであることがうれしい・・・自己肯定感は
すべての存在権を忘れずにすごせば
自然と生まれるのかもしれません。
あなたも、あなたで よかったね。