春分を過ぎ、このところのぽかぽか陽気に
桜のつぼみも随分と膨らんできました。
もうすぐ、春ですね。
まぶしいくらいの陽ざしに、てのひらをかざすと
この曲が思い浮かびました。
「手のひらに太陽を」 作詞 やなせたかし 作曲 いずみたく
多くの方に親しまれているこの曲ですが、
作詞されたのがやなせさんだったと知ったのは、つい数日前。
90歳になるやなせさん、ご存じ、アンパンマンの生みの親です。
画業60年、アンパンマン誕生40年、映像化20年。
「アンパンマンとやなせたかし展」に行ってきました。
アンパンマンだけでなく、やなせさんのマルチタレントぶりが
数多く紹介されていて、とても楽しい展示会でした。
会場の紹介VTRも(18分)じっくり見いってしまいました。
いまでは、アンパンマン=やなせたかしさん というイメージですが、
戦前は、田辺製薬の広告部に入社していたり、
戦後は、三越の宣伝部でアートディレクターを務めていたり、
ラジオの脚本家や舞台監督をするなど、意外な経歴の持ち主でした。
詩人で、絵本作家で、画家で、歌手で、エンターテイナーでもある
やなせたかしさん。
語る言葉は、暖かく、勇気を与え、生きることを励ます、
優しさにあふれた素敵なものばかり。
会場の「ごあいさつ」にはこんな言葉が・・。
ぼくは若い頃三越本店の宣伝部ではたらいていました。
ここで学んだことが今の仕事に役だっています。
だから三越はぼくの母校です。
この展覧会では、アンパンマン以外のいろんな仕事を
みていただきます。
むつかしい作品はありません。
ぼくはデパートのような作家だと自分で思います。
どうかおたのしみください。
絵本「あんぱんまん」のあとがきの言葉より。
子どもたちとおんなじに、
ぼくもスーパーマンや仮面ものが大好きなのですが、
いつもふしぎにおもうのは、
大格闘しても着ているものが破れないし汚れない、
だれのためにたたかっているのか、
よくわからないということです。
ほんとうの正義というものは、
けっしてかっこうのいいものではないし、
そしてそのためにかならず自分も深く傷つくものです。
本当の正義とは立場の違いを超えたところに存在し、
自己犠牲無くして正義は行えないという思想こそが、
アンパンマンの出発点なのですね。
アンパンマン以外にもたくさんの素晴らしい絵本がありますが、
私がいちばん好きなのは、「やさしいライオン」。
(読むたびに涙があふれます)
アンパンマンも絵本化されなかったと語られている、「原点」です。
展覧会開催記念イベントの「それいけ!アンパンマンショー」には
200人以上の子供たちと家族が参加。
着席整理券はたった20分で配布終了という人気でした。
ご年齢を感じさせないバイタリティーあふれる、やなせさん。
これからもお元気で、愛と勇気あふれる素晴らしい作品を
どんどん産み出していってほしいです。
4歳になった娘も、もちろん大好きなアンパンマン。
ショーが終わって、アンパンマンがステージを後にすると
「アンパンマンが行っちゃったー」と号泣してました(笑)。
「アンパンマンとやなせたかし展」
http://
3月29日まで 日本橋三越本店にて