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「買わない暮らしって、節約のためでしょ?」と言われることがあります。
でも、僕の“買わない”は、
節約のためじゃありません。
むしろ逆です。
節約だけを目的にしていた頃のほうが、
お金に縛られていました。
安いものを求めて何店舗もはしごしたり、
ポイントを集めるために余計な買い物をしてしまったり。
そうやって時間も体力も使って、
肝心の「欲しいもの」や「心地よい暮らし」
からは遠ざかっていました。
本当の“買わない”は、
「自分にとって必要なものを見極める」こと。
買わないと決めることで、
モノとの距離感が変わります。
ふと欲しくなったとき、
まずは「それは本当に必要か?」と立ち止まる。
欲しい理由が「暇だから」「不安だから」だった
と気づくこともあります。
そういう時、買わない選択をします。
“買わない暮らし”は、
自分をよく観察することでもあります。
欲しいと思った瞬間の自分の状態、
心の声を聞く習慣ができると、
「今あるもので十分」と思える場面が増えていきます。
最近は、「買わないことが楽しい」
と感じるようになりました。
お店の前を通っても、
「あ、今は欲しくないな」
とスッと素通りできる。
買わないことで損した気持ちにはならず、
「またひとつ、本当の自分に近づけた」
と思えるのです。
もちろん、
全く買わないわけではありません。
本や食品、必要な日用品は買います。
でも、それは「足りないから」ではなく、
「大切に使いたいから」買う。
そこには無駄がなく、
買う行為自体が丁寧になります。
節約は結果にすぎません。
本質は、「満たされた暮らしを、自分の感覚でつくる」こと。
“買わない”は、
そのための手段なのです。