いや、「プリトヨ」で、こういうファンタジーものがロードショーになるとはね、と思っていたけど、この舞台も度肝を抜かれた。
色々な意味で、これが商業ベースで成立するとはいい時代になったんだな~。かつてジャンルものだった身には、感無量っす。


要は、銀英外伝1巻「星を砕く者」の第四章「軍紀をただす」を、ほぼまんま舞台化したわけですけどね。
原作のこの章は、双璧の出会い(「後フェザーン事件」)と、二人がラインハルトの麾下に入った事情を書いているんだけど、あまり細かくは状況を描写してない。
なので、銀英同人誌ではこの章って格好の題材になっていて、みんな好き勝手に描きまくっていたんですよ。
なので、どうも同人誌を舞台化しているような気になってしまってしょうがなかったです。


それはともかく、冒頭のダンスシーンは圧巻。ダンサー多いから、見応えありましたわ。外部でこれだけ揃えて踊るのは、珍しい。ほんと、男役群舞でした。その後が、女子のみのセクシーダンスになるあたり、外部なのに、宝塚みたいな構成でした。


その宝塚OGの望月理世ちゃんが、前回に引続き出演。アンサンブルですが、門閥貴族のバカ息子どもに惨殺される婦人役でした。原作では老婦人だったけど、そこはさすがに若い美人さんになってました。


悪役・フレーゲル男爵は、スタジオライフの三上俊くん。可愛い娘役ちゃんなのに、権力にあぐらをかきまくる超嫌なヤツを力演。


帝国編に引き続き出演の高山アンスバッハ、ロイエンタールの部下・中塚ドロイゼンも良かったです。


そして、堂々の主役・双璧、東山&中河内のお二人は、本当に息もあってて、素晴らしかったです。
えぇ、もう原作のロイエンタール=長身、ミッターマイヤー=小柄っていう設定は、舞台ではなかったことにします。


さて家に帰って来てから、原作再読。第四章だけ、と思ったけど、結局全部読んでしまった。うーん、ほぼこれだけの内容で、よく2時間持たせたな。(新書版にして、24pしかないんですよ)

ワードプロセッサーという単語が出て来たのには、つい苦笑。当時(1985年頃)は出始めでしたな。今は死語(^_^;)
そして裏表紙の著者近影が若い!!若すぎる(笑)

かなり評判がいいので、わくわく劇場へ!

しかし名作ショーと言われている「ノバボサノバ」は、マミリカ時代の月組が大好きだった私はイヤというほど、CDを聞き込み、もうすっかりそのテンポが染み込んでいたのだった。
そのため、のっけから「何か違う」と思ってしまい、最後まで違和感が残ってしまった。
なので、どうしても役について書くと公平な感想にならないので、そこはスルー。星組さんは、星組さんで良かったんだけど、けどけど、申し訳ない。

しかし、このショーって、いろいろ不思議だよね。
進行役の聖職者二人はなんともなまぐさいし、唐突に「女だけのクラブ」とか、イロイロ妖しい物件が出てくる。最後には三角関係のもつれで刃傷沙汰に及び恋人を殺してしまった男が、賄賂で警察から釈放される・・・ってをい!
そして、最大の謎は、エストレーラとマール夫人は、親子でリオに何しに来とんじゃ?どう見ても、カーニバルにかこつけた一夜の男漁りにしかみえませんが。
宝塚って、「スミレコードがあります(キリッ」と言いつつ、実はすごいきわどい話をやるよね。(例)「ダルレークの恋」
これを普通に観ていた昭和のファンのお嬢様たちって、何考えてたんだろう。ほそろしぃわ。

あと、急に配慮したんだかなんだか、「黒いのも白も黄色も」という歌詞を「世界中の男も女も」に変えたのは如何なものか?
別に前のままで、いいと思うけどねぇ。

前回の再演では、後もので、終わった後にさらにフィナーレがついていたんで、シナーマンであっさり幕がおりてくるのもビックリでした。

で、全然下準備なく見たお芝居のほうが、思いがけず良かった!
おとぎ話で、ドレスもので、ほっこり幸せになれる、宝塚でしかやれない話。
そうそう、こういうのが観たいんです。
正直外の劇団でも観られるような話はいいんです。ここでしか表現できないものをもっと大切にしてほしいなぁ。

ということで、お芝居が気に入ったので、久々に2回めも観に行くぞ!

万城目学の第三作目の映像化。

これって、ファンタジィ小説だと思うのだが、こういうモノが、堂々フツーのロードショーにかかる時代になろうとは、なんというか、感慨深い。

いつのまに、そんな世界になっていたの???


原作読んでから行こうと思っていたのですが、間に合わず、映画を観て、それから原作になりました。

(「鴨川ホルモー」の時といっしょだ)

原作との相違点は、ちょこちょこあって、一番大きいのは綾瀬はるかの役は、原作では冴えない青年だということ。

先に映画見ちゃったから、原作読みながらそこはどうしても違和感あったなぁ~。

逆にいえば、上手く映画化してたということだけど。

まぁ、最初と最後に出てくる富士の裾野?の謎の十字架は、原作程度の触れかたの方がよかったと思いますが。(映画のは、更なる謎があるのかと深読みしてしまった)


そして、この話、テーマは父子相克ものなのね。

なかなか女子には実感しづらいテーマなのですが、周囲見渡すとそれなりに悩んでいる人はいるので、やはり男の人にとっては、深いものがあるんでしょう。

わかってから、あの廊下のシーンを思い返すとかなり泣けます。


テレビで放映したら、もう一度見たいな~。








私にとっては、初のD☆D。

あぁ、これはハマる人が多いのがよくわかるなぁ。


なんというか、宝塚のショーが女子フィギュアだとすると、これは男子フィギュアだな、と思ったり。

「ニジンスキー」を観たばっかりだったから、ゲスト出演したホントのバレリーノの凄さに、改めて感動したり。


友人の偶然のお誘いだったけど、行って良かったな~。


しかし、問題なのは、博品館劇場。

昔から思っていることだけど、ここと、パルコ劇場は、普通の商業施設の最上階に劇場があるパターンで、どちらも劇場へのアクセスがすごく悪い。

行くのも大変だけど、終わった後出るのも一苦労。

まぁ、ハード面は今更どうしようもない部分だけど、こんなご時世なので、せめてソフト面はなんとかなっているかな~と思ったら、全然ダメダメでした。

物販、待ち合わせ、エレベーター待ちが混然としていて、劇場の人が全然仕切れてない。

こりゃ、非常時には絶対脱出できないね、この劇場・・・。

時節柄、本気でヤバイと思ってしまったわ。


腐った系には、かなり反響が大きかったこの作品。


うーん。
悪くはないんだけど、絶賛するほどでは・・・ない・・・と思う。


新聞の使い方や、春の祭典の処理とかは、かなりいいので、演出の才能はそこそこあると思うんだ。


カンジンの脚本がなぁ。


ってか、もともとこの人の生涯って、演劇的には盛り上がらない題材じゃないか?

映画とか、テレビドラマならまだわかるけど。

悲劇は悲劇なんだけど、精神異常になって終わるってのは、カタルシスがないっていうか、オチが尻すぼみというか。


あと、なんといっても不世出の天才バレエダンサーってのは、なかなか難しいと思うのよ。

宝塚でもバレエは踊るけど、本格バレエじゃないし。

特に男役のダンスは、独特の様式美だから、男性バレリーノの踊りにはならないもんね。


キャラも、なぎしょの女役・バレエ教師のマリーとか、ちょっとイミフで終わってしまったしね。

ニジンスキーのことが好きだった設定らしいが、イマイチ表現しきれず。

むしろ、ここはニジンスキーの妹(一緒に演出もしていたという)を出した方がよかったのでは?


話題のキスシーンは、すいません、期待しすぎたのか(ヲイ)、若干肩すかしでした。

・・・アレダケデスカ???


そして、これは全く個人的な問題なのですが!!

ニジンスキーというと、どうしてあの、チュチュ着て踊る鳥@「イブの息子たち」が真っ先に脳裏に浮かぶんです。


「わたしは、バースラフ・ニジンスキー。苦悩する魂。永遠のバレリーノ」


えぇ、れっきとした青池ファンですから!!

(すいません、山岸先生の「牧神の午後」は、読んでません)

宝塚の舞台でやるには、ホント冒険作品でしたよね。(って最近そんなんばっかりだけどさ)

元雪組トップ男役の水夏希さんの退団後初舞台。


ほぼあて書き状態の刑事もので、小説・TVドラマ・DVDドラマ・舞台のメディアミックス企画。


ちょっとキワモノでは?と思っていたのですが、舞台の評判がやたらいい。

今更ながら、見たくなってしまったが、時すでに遅しで、行くとしたら千秋楽しかない!

当日券って・・・買えるものなのかしら?


前日夜まで悩んでいたのですが、ダメモトで行くぞ!と気合を入れて起きてみたら、なんと雨(爆笑)。

すごいよ、ミズ先輩!!(なぜか先輩呼び)

(あ、ご存じない方のために。ミズさんは、現役時代から知られた超強力な雨女、イヤ雨男なんす。)


というわけで、雨の勢いも借りて、初台の新国立劇場へ。

行ってみると、シーンとしてて、入り口付近は全く人気がない・・・。

ホントにいいのかな?と思いつつ、奥に入っていくと、当日券発売の机があって、そこには数名並んでいらっしゃいました。

発売時間までまだ結構あるけど、屋内だし、ちょうど壁にもよりかかれるし、チケ待ちするにはとてもいい環境。

ネットで時間をつぶしつつ、発売を待ったのでした。

しかも待っている間に、友人が別の舞台の当日券にチャレンジして玉砕したことが分かり(ネットの威力!)、急遽誘って二人で観ることに。

一人でもいいけど、やはりこういう舞台は感想を言い合える友達がいた方が楽しいです。


さて、舞台は・・・のっけから、めちゃくちゃぷりてぃなエプロン姿で、スミレさん(ミズ先輩)登場!

コンビ?を組むヅカヲタ後輩刑事・光矢くん(中山麻聖)のツッコミも多く、1幕は宝塚ファンにはたまらないコメディでとても楽しかった。


一転して2幕はシリアスな展開。

ただ、申し訳ないけれど、あの○○の理由は厨二病すぎて、ちょっとひいてしまったなぁ。結構会場はすすり泣いていたけれど。

すっかり女の子になってて、とてもとても若手スター男役だったなんて嘘のような麻尋えりかちゃんが、好演してました。


そして、オマケのGuys☆From The Esrthのミニライブ。

ミズさんのサヨナラ楽のペンライトや、リオブラのポンポンを持ってきているファンの人も多くて、さすが千秋楽、盛りあがりました。


終わって、勢い余って、そのまま出待ち。

さわやかに先輩は出てこられ、カッコよく去って行かれました。

・・・現役と変わらんやんか・・・。


さて、すっごい面白かったんで、ぜひDVDも見てみたいんですけどね。

お値段が凶悪なんですよ。

よんまん、ななせん、にひゃく、ごじゅうえん・・・(バッタリ)。


せめて、普段は買わないようにしている(場所取るから)パンフは買ってみました。

にせーんえーん!

昨日買った五百羅漢展の図版の安さが、改めて身にしみます。

(演劇のパンフは普通、そんなもんですってば)




江戸東京博物館で、ホントは3/15から始まるはずだった展覧会。

震災で、開催が延期になりました。


芝の増上寺にある、羅漢(仏の弟子)を描いた秘蔵の仏画・全100幅。

江戸時代末期の狩野一信という絵師が約10年かけて描いたものです。

といっても、96幅までいって、病没してしまったので、最後の4幅は妻と弟子の補作。

それでも、凄いことだけど。


この全100幅が一挙公開されるのは初の試みだそう。


一通り見て、まずわかるのは、最初の頃のものすごい充実ぶりと、後半から最後にかけての気力の萎えっぷり。

最後の4幅が本人作じゃなくということだけど、ホントはもう少し前から、本人の手がかけられた部分は減っていっているみたい。


羅漢の表情とか、構図とか、こまごました背景の書き込みとかが、どんどんどんどん、劣化していくの。

それがなんとも切なかった。


絵描きじゃない私が見ても、わかるんだから、絵描きが見たら、もっと色々わかるんじゃないかと思うけど、逆に辛くなりそう・・・。


まずは、一人の作家の作品人生の流れに目がいってしまうけど、ひとつひとつの作品は、これまた凄くて。


いや~、あんなに細かく描きこむものなんですね。

服とか靴とかまで、とにかくこまかーく柄が描いてあるんですよ。

そう、昔あまりトーンがなかったころの少女漫画のように!!

ちゃんとしわ部分は、模様がずらしてある。

マンガは、手元で読むもんだけどさ、掛け軸の仏画なんて、遠くに飾ってあるのを見るものじゃないか!

昔の寺だと、照明も暗いだろうし、そんな真近でしげしげ見ないよ。

(サイズは、縦2メートルくらいあります)


いや、この執念で描いていけば、後半少しおかしくなっても不思議じゃないと思うけど・・・。


売店に寄ってみると、ほぼフルカラー、約200Pの図版が2500円。

展覧会の内容の凄さに感動したのと、比較してあまりの安さに、つい買ってしまいました。

・・・のっけから、狩野一信ヲタみたいな大学教授が、熱く語っていて面白いです。

混んでいるかな~と思ったけど、 約1時間前に行って、そこそこの席が取れました。

ちなみに新宿バルト9。


予告で、6月からやるゲキシネの「薔薇サム」が見られて、テンションあがりました!!


さて、原作が大好きだった「阪急電車」。

関東在住なのに、あの電車には何度も乗ったことがあるんですねぇ(笑)。

さすがに、下車したことあるのは、「宝塚」「宝塚南口」「逆瀬川」と「西宮北口」だけだけど(十分だろう)。

なので、駅の風景も、電車の中の雰囲気も、車窓からの眺めも、何故かおなじみ・・・。

もちろん、宝塚ホテルの中の風景もバッチリですよ。


原作に対してももちろん、阪急にも、沿線にも愛情のこもったつくりの映画で、とても良かったです。

後半、かなりの人がすすり泣いていましたよね~。

わたしも、やられました。

ティッシュ用意しておいて良かった。


と、いうことで・・・以下はネタばれ箇条書き感想。(やや辛口)

これから見る方、原作知らない方は、要注意!!





















・図書館のカポーが出てこないのには、ちょっとビックリ。

まぁ、ゴンちゃんと軍ヲタくんとカブるからかなぁ。


・そのゴンちゃんと軍ヲタくんの、後半の妙なアニメ処理はなんなんだ。


・DVの彼氏は、怖かった・・・。やはり、あれは女性には恐怖だ。

(役者さんも「心が折れそうだった」とムック本で語っていらしたが)


・お兄ちゃん、もっとゴツい人かと思ったのに、そうでもなかった。

あれじゃただのいい人なので、もうちょっと恋心をにじませてあげてもよかったのに。


・お友達の携帯ぶっ壊しはすげかった。こええ。


・高校生の彼女は、なんで大学行って、大学生に質問しただけで気が晴れたんだかわからん。


・社会人の彼氏の、意外な役どころにビックリ。

へー、そうつなげるのもアリですね。


・しかし、せっかく再生したのに、「生」あれだけかい!(笑)

赤坂ACTに行くと、「カラマーゾフの兄弟」を思い出すのは仕様です。

席に着くたび、「あぁ、この席で「カラマ」観たら、どんなだったかなぁ」と思うのです。

何故か、新感線がらみでこの劇場に来ると、とんでもなくいい席なので。

(でも、きっと裁判官は舞台奥だから、手前のスターさんにかぶって見えなかったとおもうから、いいの>強がり)

そんな中でも、今回は格別でした。

じゃ~~~ん。

1列めセンターブロック通路脇!!

取ってくれた友だちに大感謝。


お話は、シェイクスピアの「オセロー」を、まんま戦前日本のヤクザに置き換えたもの。

脚本の青木豪さんは「IZO」を書いた方ですね。

個人的には、「IZO」より今回の「オセロ」の方が良かったです。

「IZO」はかなり後味が悪くてね~。

「オセロ」も悲劇だけど、最後にちゃんとカタルシスあったから。


とにかく、石原さとみちゃん(デズデモーナ)が可愛くてね!!

あれは、橋本じゅんさん(オセロー)じゃなくてもやられるね。

ほんで、伊礼彼方くん(キャシオー)みたいなハンサムがそばにいたら、田中哲司さん(イアーゴー)に吹き込まれなくても、疑っちゃうかも。

ほんとに、見事なキャスティングでした。


原作の大事なキーアイテムは「ハンカチ」なんだけど、これがなんと「岩塩」。

どうすんだ、岩塩を!!

と思うけど、これまた見事に使われてた。


原作のイアーゴーの妻・エミリアの役どころが、そのまま妻の松本まりかちゃんと、その弟でオカマの大東俊介くんに割り振られてて、これも良かった。

特に、最後の大東くんのくだりで、予想外に泣けてしまった。

・・・やはり、某政治家のあの発言には、皆様反感をお持ちのようで・・・。


そのほかおなじみの新感線の劇団員の皆様、相変わらず体当たり芝居で素晴らしかったです。

粟根さんのかぶりもの~~~~!!

村木ねえさんの体張った演技~~~~!!

さとみちゃんも可愛かったよ~~~!!(目の前で歌う姿が見られて嬉しかった)


あと、とにかく主演のじゅんさんは、のっけからさんざんネタにされてましたけど、腰の完治、おめでとうございますですね。

元気でかっとばす姿を真近で見られて、感動でしたわ。

ホントはシリアスでいなくちゃいけない田中さんを、本気で笑わせてましたよね(笑)。

あぁ、じゅんさん健在なり。

夏のフック船長も頑張ってくださいね。