江戸東京博物館で、ホントは3/15から始まるはずだった展覧会。
震災で、開催が延期になりました。
芝の増上寺にある、羅漢(仏の弟子)を描いた秘蔵の仏画・全100幅。
江戸時代末期の狩野一信という絵師が約10年かけて描いたものです。
といっても、96幅までいって、病没してしまったので、最後の4幅は妻と弟子の補作。
それでも、凄いことだけど。
この全100幅が一挙公開されるのは初の試みだそう。
一通り見て、まずわかるのは、最初の頃のものすごい充実ぶりと、後半から最後にかけての気力の萎えっぷり。
最後の4幅が本人作じゃなくということだけど、ホントはもう少し前から、本人の手がかけられた部分は減っていっているみたい。
羅漢の表情とか、構図とか、こまごました背景の書き込みとかが、どんどんどんどん、劣化していくの。
それがなんとも切なかった。
絵描きじゃない私が見ても、わかるんだから、絵描きが見たら、もっと色々わかるんじゃないかと思うけど、逆に辛くなりそう・・・。
まずは、一人の作家の作品人生の流れに目がいってしまうけど、ひとつひとつの作品は、これまた凄くて。
いや~、あんなに細かく描きこむものなんですね。
服とか靴とかまで、とにかくこまかーく柄が描いてあるんですよ。
そう、昔あまりトーンがなかったころの少女漫画のように!!
ちゃんとしわ部分は、模様がずらしてある。
マンガは、手元で読むもんだけどさ、掛け軸の仏画なんて、遠くに飾ってあるのを見るものじゃないか!
昔の寺だと、照明も暗いだろうし、そんな真近でしげしげ見ないよ。
(サイズは、縦2メートルくらいあります)
いや、この執念で描いていけば、後半少しおかしくなっても不思議じゃないと思うけど・・・。
売店に寄ってみると、ほぼフルカラー、約200Pの図版が2500円。
展覧会の内容の凄さに感動したのと、比較してあまりの安さに、つい買ってしまいました。
・・・のっけから、狩野一信ヲタみたいな大学教授が、熱く語っていて面白いです。