「頑張れ」とか「頑張らなくてもいい」って | 中村由紀オフィシャルブログ Powered by Ameba

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被災地を訪れた星野監督が
「耐えて下さい」と言っていた。

避難所の人が
「頑張れ、頑張れって言われ続けて、
どう頑張ればよいのかと思っていた時に、
耐えて下さいと言われて、なんかホッとした」と話していた。

頑張っている人に、「頑張れ」という言葉は使わないとはよく聞く。
まさに、そういうことなのかなと思った。

・・・・・・・

「頑張って」とか、「頑張らなくてもいいよ」って
その時々によって、受け手によっても変わってくる言葉だ。

無理をして頑張っている人が、あるいは頑張りすぎている人が
「頑張って」と言われると、どうしようもなくなるだろうし、
「頑張らなくてもいいよ」と言われると、
フト肩の力が抜け楽になるかもしれない。

本心から頑張っている人が、
「頑張らなくてもいいよ」と言われると
出鼻をくじかれたようでガックリするかもしれない。

・・・・・・

先日、.あるところで「頑張らなくてもいいですよ」と言われた。

私は貪欲かもしれないけれど、
「何かを掴みたい」という、もがく様な気持ちでいた。
そして、それに対して真剣に向き合っていた。

だから簡単に「頑張らないで」と言われたことに、様々な反応があった。

私の中の、様々な意識の声。
「無理のないようにということなんだろう」という優等生的な感じ。
「頑張ってやってんだから、認めろよ」という自己主張的な感じ。
「やってらんねぇ」という反発的な感じ。

様々な気持ちがあった。

そして、その体験を別の人に話した。
「頑張らないといけないときは頑張らないといけないんです」
という賛同を得て嬉しかった。

そして同時に、
「今まで、いろいろと頑張ってきたんですもんね」と言われ、
ふ~っと力が抜けて、
「頑張らなくてもいい」という意味が身体に沁み込んでくるようだった。

・・・・・・

「頑張れ」とか「頑張らなくてもよい」という言葉のやり取りは、
そういわれた人の受け止め方によっても違うし、
その人同士の関係性もあるだろうし、
難しいなぁと思う。

けれども大事なのは、
その人の気持ちになってみるということなかもしれない。
その人が、どのような立場にいて、どう感じているのか、
それを共感したうえで、どいういう言葉をかけるのか。

震災後、被災地の人々だけではなく、
様々な人々が敏感になっていると思う。
そういう時に、相手の目線に立って言葉を伝えたい。