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実はフォローさせていただいているブログで知ったのです、今年の「神田古本まつり」が始まったのを。


コロナ禍で2020〜21年の2年間中止された「古本まつり」。

神保町の靖国通り沿いに並ぶ古書店に加え、都内各地の店が歩道に約500メートルにわたって並べるワゴンは、まさに本の回廊状態。黄昏時には、提灯に照らされ華やぐ回廊にワクワクすること請け合いです。

最終日は11月4日17時まで、まだ間に合いますよ!

 

その日たまたま午後から時間ができて。だいぶ出遅れているし、なにより雨が降りそうな空模様だけど…数年ぶりに行きたくなって、上り電車に乗りました。

 

鉛空の〝青空掘り出し市〟は、行き交う人々で大賑わい。膨大な背表紙をじっくり眺めるのも叶わず、人波に流されつつ歩きます。

あっ、靴の紐が解けてしまった。

 

ワゴンの隙間にしゃがんで結び直し、立ち上がると視界に小さな棚が。まるでその場に引き留められた気がしました。

なにやら予感めいたものを感じて目を凝らすと、「岡田有希子」の文字が飛び込んできて…それはずっと読みたかった、彼女のエッセイ集「瞳はヒミツ色」でした。

 

ちょっぴり躊躇するお値段。でもこの邂逅はまさに、売り切れ御免の一期一会。これ買います!

支払いは現金のみ。財布にあったオカネが小銭ぎりぎり足りて、ホントにほっとしました。


下りの電車に乗って、早速本を開きます。40年も前のものとは思えないキレイなページの中に、ユッコさん17歳の笑顔、そして彼女が思いを込めた言葉が並んでいました。

オッさん55歳の瞳がじんわり潤んだのは、ここだけのヒミツなのDESU…

 

 

 

何十年も前の本たちはその時代の空気を纏ったまま、新しい読者との出会いを待っていました。久しぶりの古本まつりは、思った以上に楽しかったのです。

photo by yukikostarlight