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ランニングコースの途中、大通りで長年やっている蕎麦屋のシャッターにある朝貼られていた、閉店の告知。

 

わたしがそれに驚いたのは、今年になってからその店が内外装をきれいに直したばかりだったから。高齢ながら元気はつらつなご夫婦で切り盛りしてきたお店は、コロナ禍だって乗り越え、まだまだやっていくものと思っていたのに。

 

小さな店構えから想像するより奥行きがある店内は、テーブル席の向こうにお座敷席がふたつ。唐揚げ、天ぷら、煮込みのおつまみメニューに十割蕎麦焼酎「粋蕎(いっきょう)」、締めはもちろん蕎麦。出汁の香りに包まれた、正しく「わが街のそば処」だった。

 

昭和を感じるお店のシャッターが、もう開かないなんて。商売に定年はなくても、老いた店主はその時を見極めなければいけなかった、なんだか切ない。

健康、資金、後継…なにかが欠けてしまえば続けられないだろう。続けたくても、どんなに惜しまれても。

 

そんなことを思いつつ、まだ朝なのに暑さが振り返した路上を走っていたら。通りに面したマンションの小さな駐車場の地面に、かすれた「見極」の文字が見えて。

狭くて軽自動車しか止められないその一角、何を見極めねばならないのか?

 

目を凝らせば、果たしてそれは「月極」であった。

 

 

その店が創業したのは、ユッコこと岡田有希子さんのデビューと同じ1984年。最終日は、ユッコさんにとって芸能生活のスタートだったこの日。全然関係ないのに、どうにも感慨深いのです。

photo by yukikostarlight