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ツレさんと買い物の帰り途。

ふと目に入ったのは、花壇の一角に咲いたラベンダーの花。

その鮮やかな紫色に、ふとこんなことを思い出したのです。

 

まだ二十代半ばの頃。

付き合いだしたツレさんと、レンタルバイクで巡った北海道・富良野。

一面に広がるラベンダー畑が、息をのむほど美しくて。ツレさんを立たせ写真を一枚撮りました。

 

その頃はまだ、フィルムカメラの時代でした。

購入したての一眼レフに入れていたのは、安かったモノクロフィルム・ネオパンSS。

モノクロームで切り取られた世界は大人びてカッコいい、そう思っていたのです。


現像したプリントを見て、ツレさんがっかりしてたっけ。

思い出はモノクロームに。色を失ったラベンダーは、悲しいほどに映えなかったから。

そんな写真にあの紫色を補完するには、まだわたしたちは若過ぎたのでしょう。


そしていま。当時のアルバムをめくっても、なぜかその一枚が見当たらず。ざんねんな写真をお見せできないのが残念です。

 

古びたスクーター・ジェンマ125の後席で、わたしにしがみ付いてたツレさん。

お互い五十代半ばになっても、こうして並んで歩いているとは…あの頃思ってもみなかったでしょうね。

 

 

 

4年前、突然ユッコこと岡田有希子さんのファンになったわたしの中で。

モノクログラビアの記憶だけだった彼女は、いつしかカラフルに輝きだしたのです。

photo by yukikostarlight