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本当は素直になって心を開きたいけれど、否定されて傷つくのが怖い。だから、思いを伝えることに慣れていない。

本音をこぼしてしまった瞬間には、恥ずかしくて赤面してしまう。

 

思い描いた理想に近づこうと、全てのことに努力を惜しまない。そして人との関係も完璧でありたいがため、自分にも相手にも甘えることができない。

「私は平気」、強がってプライドを積み重ねてしまう。

 

いわゆる〝ツンデレ女子〟は、こんな気性の持ち主らしい。

 

わたしは思わず、早世したひとりのアイドル歌手の姿を思い浮かべた。そんな言葉が、まだ無かった遠い昔の。

 

感情の起伏が激しくて、繊細で傷つきやすくて。そんな彼女にとって、夢見た世界はあまりに過酷だった。

疲れ切った彼女は、共演者だった俳優に思いを寄せた。自分より遥かに大人なそのひとだけに見せたであろう、恋する少女の真っ直ぐな瞳。

 

壊れそうな心を支えていた恋。それを喪ったとき、彼女の瞳から輝きが消えた。

 

そしてあの日、12時を過ぎた頃。

望んでかけられたはずの岡田有希子という魔法を、自ら解いてしまったんだ。

さいごまで枯れなかった、頬を伝う涙とともに。

 

 

 

そのとき彼女が穿いていたのはガラスの靴ではなく、魔法が解けた事務所のスリッパだった…

photo by yukikostarlight