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いまからちょうど40年前。4月21日は土曜日でした。

桜の開花がだいぶ遅れたこの年、東京の空模様はいわゆる花曇りだったといいます。

この日、ユッコこと岡田有希子さんは「ファースト・デイト」でレコードデビューを果たしました。

 

わたしはその頃、北関東のとある県立高校に進学したばかり。

実力よりちょっと上の学校に運良く引っかかったものの、数学が教科書の最初のページから理解できなかったことしか記憶になくて。

40年前に戻れるなら朝からレコード屋に並び、彼女との「ファースト・デイト」を洒落込むのに。残念ながらそんな大切な日も、おそらくわたしはボーッと生きていたのです。

 

この曲がレコーディングされたのは、前年の12月10日だったようです。

ユッコさんはその数日前、デビュー日への焦りを書き記していました。

 

あ〜あ

本当に私なんていらない子なの

じゃないかなァ…

1年に2人の新人出したって

2人とも売れなくなるのが

オチじゃない

力のかけ方だって

半分になっちゃうし…

滝里美が必要なら

私なんてスカウトしなきゃ

よかったじゃない!

 

4/21に出したって

遅いよーダ!

その前から雑誌に出てるなら

まだしも いきなりそんな人より遅れて

デビューしたって

賞レースとか間に合うわけないじゃないヨ

 

聖子さんだって4/1だし 靖子ちゃんだって3/21!

しかも聖子さんは11月ごろからドラマに出てたし…

優さんは4/21だけど その前から

CMにいっぱい出てたじゃない

何にもしないで 遅くデビューした

明菜さんはやっぱり

賞取れなかったじゃない

あんなに売れたのに…

 

ホリプロの子はもういろんな仕事してるのに

私だけヒマじゃない!

来年は宇佐美ゆかりだって荻野目洋子も

渡辺桂子だって いっぱいいて

みんな もう仕事してるじゃない

本当に私に期待してくれてるの?

 

「愛をください」に収録された、直筆の日記。

書き殴るような筆跡が痛々しい。

こんな思いは、きっと日記帳にしか吐き出せなかったんだろうな…。

 

その後40年ボーッと生きてきた、わたしは思います。

ヒマだっていいじゃない。

仕事に命なんてかけなくったって、いいんだよ。

 

 

デビューシングルのジャケットにしては、寂しさすら感じる表情を浮かべて。

この日、短かった彼女のアイドル歌手生活がスタートしたのです。

photo by yukikostarlight