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絶好の行楽日和だった先週末。

最近知り合った友達に誘われ、ちいさな赤いスポーツカーの助手席にいた。

 

コーヒーの飲み方を示すイタリア語を名乗るその車は、屋根を外してフルオープンにできる。

この開放感はヘルメット越しじゃ味わえない…オートバイしか知らないわたしは悔しい。

 

風の中、ワインディングを愉しみ湖を周る。名残の桜並木が儚くて美しい。

信号が青になれば、スタートダッシュはベタ踏みだ。目線が異様に低いからか、加速感が半端ない。

 

狭い車中で、同じ時代を生きてきた強面な彼との話は盛り上がった。

煽ってくる奴、幅寄せしてくる輩。トラブルに見舞われるたび、並み居る相手を言い負かしてきたという。

 

帰り途になってから気が付いた。

そんな武勇伝が尽きない公道レーサーが、黄信号できちんと車を停めていたことに。

 

「停止。ただし停止位置に接近してるため安全に停止できない場合を除く」

本来の黄色の信号が示すのはこんな意味だ。

だけど、わたしも含め「急いで進め」と解釈する人間が、路上になんと多いことか。

ある時から、彼は意識して停めるようになったという。その理由は語らなかったし、聞かなかった。

 

〝道路はエゴに満ちている。〟

唐突に思い出したのは40年前の高校時代、体育教師が教壇で放った一言。

車社会に出る若者に対する忠告だったのだろう、この言葉以外何も憶えていないのだけど。

 

道中、「分れ道」という交差点を通った。

黄信号、アクセル踏む踏まないが、運命の分れ道…。

初夏を思わせる陽射しの下、屋根のない車でわたしはぼんやり考えていた。

 

 


ユッコこと岡田有希子さん、彼女にも運命の分れ道はいくつかあったのでしょう

でも2年の間、彼女にはアクセルをただ踏み続けるしかなかったのでしょうか?

photo by yukikostarlight