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今月限りで職場を離れることになったマコトくん。
なぜかわたしを慕ってくれた彼のため、気の置けない同僚と送別会をした。
場所は会社からほど近い、「二時間飲み食べ放題・税別3000円」の中華料理屋。
それは主賓のマコトくんが、締まり屋のわたしを慮って探してくれた店だった。
コロナ禍以降、同僚との飲みがご無沙汰のわたし。三年前に異動してきた彼と、初めて飲む送別会。
なんとか皆のシフトを合わせて、やってきた週末の夜。
直前の予約なのにあっさり取れた店は、華やかなウェブサイトの写真と違って年季の入った渋い雰囲気、それはまあ想定内。
「イラサイマセー」席に案内してくれたのは年季の入ったお姉さん、たどたどしい日本語も想定内だ。
物価高なご時世に、二時間飲み食べ放題で3000円。そんなオイシイ話があるのか半信半疑だったけど、ホントだった。
生ビールは二杯目もすぐ来たし、料理は焼きたて揚げたて、ひと皿の量も多くて、なにより美味い。
テーブルを囲んだ皆も満足そうで、ささやかながら愉快な宴になりそう…だったのに。
想定外だったのは、マコトくんのまさかの体調不良。
乾杯から十分後、彼の小皿に熱々の酢豚を取り分けた時は異変に気がつかなかった。
「そんなに食べられませんヨ」弱々しい声は遠慮だと思っていた。
だけどその後ほどなく、彼は意を決したようだ。
「本当に申し訳ありません、今日はここで早退させてください」
彼いわく昼過ぎからあったらしい喉の痛みに、ここへきて経験したことがない量の発汗。
明らかな変調を自覚したマコトくん、もはや帰るしか選択肢がなかったのだろう。
そんなわけで。
主賓がいなくなってしまった。
寂しくなった宴席にはわたしと女子ふたり、そして次々と運ばれる大皿料理。
志半ばで病にたおれたマコトくんの仇をとるべく、栄養補給とアルコール消毒に励んだのは言うまでもない。
翌朝、皆からのチャットを見た。
帰宅時は38度の熱に止まらない汗、人生で未経験のキツさだったというマコトくんは、一晩寝たら平熱に戻ったとのこと。
本当に良かった。
ほかの二人も、幸い体調に変化はないという。彼が聞きたがっていた、ふたりの美女に囲まれ浮かれたわたしの与太話は、揃って「一晩寝たらキレイに忘れました!」と。
心からホッとした。
そしてわたしは…栄養の摂りすぎと過度の消毒を、心から反省したのだった。
マコトくんとともに仕事した三年間は、あっという間でした。
そしてわたしは、それよりもっと短くて儚かった、佐藤佳代さんがユッコこと岡田有希子として生きた日々を偲ぶのです。
photo by yukikostarlight