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♪言えないのよ 言えないのよ

 

「MUGO・ん…色っぽい」、工藤静香さんが歌った1988年の大ヒット曲。

この歌い出しが、そのとき思わず頭に浮かんだのです。

 

自分の看板をぶら下げて歩いているひとはいない。

名刺を額に貼っているひともいない。

それゆえに、どうしても思い出せなかったのです。

あなたのお名前が。

 

きょう街角で偶然ばったり出会ったとき、こう思ったのです。

似てるなあ…最近すっかり疎遠だけど、前はよくご一緒していた飲み仲間のあなたに。

でもちょっと雰囲気が違うかな…他人の空似かも。

 

するとあなたはわたしをじっと見つめた、目が合った。

「どうもご無沙汰しています」

「お元気でしたか」

どちらからともなくことばが出て、お互いの顔に笑みが浮かんで。

 

でもそれから会話が続かなくて。

あなたのお名前を何とか思い出そうと、数秒が虚しく過ぎていきました。

お元気でしたか。話をその先に継ぐために絶対要るのに。

言いたいけど名前が出ない、言えないのよ…。

 

かつて田中角栄は、こんなとき堂々と、目の前の人に名前を尋ねたらしい。

そして相手が苗字を名乗ったら「そんなことはわかっとる。キミの下の名は何かと聞いておるのだ」。

 

そんなことできひんのはわかっとる。わたしは残念なことに田中角栄ではないのだ。

 

お別れしてからしばらく経った帰り道、やっと思い出したあなたのお名前。

こういうのを、あとのまつりというんでしょうね。

 

photo by yukikostarlight

 

街角でもし見かけたなら

Wonder Trip Lover

名前を呼んでね

(岡田有希子「WONDER TRIP LOVER」)


ユッコこと岡田有希子さんが、もしいまこの空の下にいたなら。

街角で名前を呼んだら、笑みを浮かべて応えてくれるでしょうか。