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連日〝危険な暑さ〟が続くなかの、シフト勤務の平日休み。
激辛が売りのラーメン店を出たわたしは、大汗かきながらターミナル街のはずれを歩いていました。健康のために(電車代をケチって)歩く選択を少々、いやすんごく後悔しつつ。
駅から続く大通りから、線路沿いの裏道に曲がろうとしたときでした。
通りの向こう側に見える、一軒の古本屋。
店構えからして、ずっと以前から営業しているらしい。
その道はここ数年間で何度も通っているのに、通りの反対側にあるその店の存在にいままで全く気づいていなかった自分に驚きました。
某古書チェーン店以外の古本屋って、久しぶりだなあ…店の外に置かれた棚を眺めると、本に混じって年季の入った誰かのスクラップブックとか、何やら面白そうなものが並んでいて。
思い切って店のドアを開けます。
当然のように他に客はおらず、山のように積まれた本の向こうに、わたしよりひとまわり若い店主がひとり。
静かに流れる、聴き慣れないけどずっと聴いていたくなるインストのBGM。冷んやりした店内は、足元から頭上まで本が並んだ書棚が狭い間隔で並べられ迷路みたい。こんな空間での宝探しを、ライバルもなくゆっくりできたのはなかなか幸運かも。
見上げてしゃがんで、店内をふた回り。気がついたら小一時間が過ぎていました。
さすがに手ぶらで店を出るのは気がひける。迷って選んで購入したのは古いはがき一枚と、遠くの街の小さな版元が出した掌本一冊。緒言にあった「まだ見ぬ他者へと紙ヒコーキ(本)を飛ばす。どこへ着地するだろうか」のことばが決め手になりました。
いずれも、某古書チェーン店では絶対に置いてなさそうな逸品です。
店を背にして、ありえないほど激しい陽射しの中を歩きながら思いました。
どうしていままで気付かなかったんだろう。
2020年のある日に、いきなりユッコこと岡田有希子さんのファンになったときもそう思ったんだっけ。
そしてどうして、気付いたんだろう。
これってひょっとして〝呼ばれて〟いるのかしら…?
昭和9年。消印の上、なにやら標語らしき文字が見えます。なんて書いてあるのだろう?
photo by yukikostarlight