【ドラマ・ケンカツから学ぶ】よりよく勇気づける言葉とは

こんにちは、表参道の育児・育自サロンAngelica（アンジェリカ）の牛島有希子です。

(略して「ケンカツ」というそうです)

生活保護の現場を描いたドラマで、毎回いろいろと考えさせられます。

主人公は、生活保護受給者・受給希望者に応対する新人ケースワーカー、義経えみる(吉岡里帆さん)。

私は先日のブログで、

このドラマの中で「良かれと思って・支援したい」の気持ちで人を傷つけてしまっているシーンについて触れました。

過去記事
【ドラマから学ぶ】「良かれと思って・支援したい」の気持ちで人を傷つけないために

今週の物語ではその逆で、

こんな時にありがちな言葉をかけることなく、勇気づける言葉が使われていて嬉しく思いました

生活保護受給の申請に訪れた島岡(佐野岳さん)と、えみるとの間でさまざまなやり取りや事件があり、

島岡には幼少期の経験から深刻なPTSDがあることがわかります。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは

突然の不幸な出来事によって命の安全が脅かされたり、天災、事故、犯罪、虐待などによって強い精神的衝撃を受けることが原因で、時間がたってからもその経験に強い恐怖を感じ、
社会生活にも影響を及ぼす様々なストレス障害を引き起こす精神的な後遺症、疾患のこと。

島岡が今後、生活保護を受けながらPTSDのつらい治療に立ち向かっていく、というのがラストシーン。

島岡の後姿を見送っていたえみるが、声をかけます。

私は、あー、「島岡さん、頑張ってください」とか言っちゃうのかなー

と思いながら見ていたのですが

えみるが言った言葉は

島岡さん、治療大変だと思いますけど…

でも、私たち、島岡さんの味方でいますから!

だから、安心してください

…この言葉に、とても嬉しくなりました

頑張って、という言葉は

深い思いがなくても簡単に口にできます。

(そもそも、島岡さんのような状態の人に「頑張って」は禁句ですが)

えみるがかけた言葉は

彼の心によりそう、勇気づけの言葉でした。

これからつらい治療に立ち向かっていく島岡さんは

「頑張って」なんて言われるまでもなく、すでに人よりずっと頑張ってさまざまなことに耐えてきたのです。

「私たちはあなたの味方です」
という言葉は、あなたは一人ではないよ、私もあなたと一緒に頑張るよ、という気持ちが伝わってきます

もしこれから辛いことがあったら

「頑張って」と声をかけてきた相手には、無理をしてでも頑張っている自分を見せようとするでしょう

「あなたの味方だよ」と声をかけてくれた人には、自分のつらい思い、弱い部分を見せることができるでしょう

心が元気な状態なら
「頑張って」はもちろん効果があります

心が弱っているときには
「あなたの味方だよ」「安心してください」という言葉に、心がほっと緩むことでしょう

言葉は、ほんの一瞬です。

思い浮かんだことをそのまま発してしまうことの方が多いでしょう。

心が弱っている人に相対するときはもちろん

子どもを勇気づけようとするときにも

せっかく「良かれと思って」言葉をかけるのなら

どういう言い方をしたらよりよく勇気づけられるのか

知っておくこと、言葉を吟味して発することができたらいいですね

いちいち言葉を選んでいたら会話なんてできない、と思うかもですが

これは慣れです。

日々意識していればできるようになっていきます

Angelicaでは

エンカーリジング各種講座(カウンセラー養成講座)でこのことをじっくりお伝えしています。

また、親子関係講座SMILE、勇気づけを学ぶELM講座の中でも

これらの知識と技術を織り交ぜてお伝えしています。

ケンカツの新人ケースワーカーたちが成長していくように

私たちも、言葉のかけかた一つから、意識してステップアップしていきましょう